10/28/07
相続分22(みなし相続財産4)(民法350)
私が弁護士になったころから20年間くらいは、遺産分割事件と言うのは、まだまだ均分相続に納得しない長男とその他の兄弟の争いが中心でした。
長男一人対その他兄弟というのではなく、家督相続的解決に賛成する兄弟も多く、むしろ均分の権利を主張する方が少数でしたので、法定相続を主張する方が悪者のような感じでした。
そこで、法定相続分全部ほしいというのではなく、兄貴も少しくらい分けてくれればいいだろうという言い方がほとんどでした。
平成に入ったころから均分相続の思想がいきわたってきたので、(相続財産が都会人中心になってきたこと・・遺産に対する貢献割合が平等になってきたことも大きいでしょう。)最近の相続争いの中心的紛争は、相続分の争いではなくなってきました。
実質遺産隠しに関連する生前贈与の争いと子供らがほぼ平等にそれぞれ親から違った形で恩恵を受けているのに、データを握っている一人がその他の兄弟の分だけその詳細をあげつらって、(遠い昔のことで実態解明に時間がかかりすぎる)紛争を長引かせていることの弊害が目立ちます。
共通項は、親と同居していた相続人が、ほしいままに被相続人の生前に親の財産を移動し処分してしまっている場合、これが親の意思によるものなのか同居人が勝手にやったのか不明な事例が多いのです。
この点は、これでも書いている独身高齢者の財産管理の問題点とも共通しています。
独身の高齢者の場合は、他人がこれを食い物にする場合が多いのですが、子供と同居している場合、他人よりももっと気楽に食い物にしがちです。
元気な親が、病臥してすぐに死亡すれば問題が少ないのですが、そういう事例はまれで、長寿高齢化を反映して、最近では、数十年にわたって徐々に意思能力が衰えていくのが普通です。
そうなると死亡前の半年前は誰でも、おかしかったと言えますが、その2年前はどうだったか?3年前はどうだったか?となってくるとどうにもなりません。
どの時点から親の意思能力がなかったのかについては、殆ど証明不可能な事例が多いのです。
そのうえに、ことは意思能力の有無の問題ではなく、気力が弱ってきて、世話になっている長男などが勝手に土地を売って、そのお金を好きに使っても文句言えなくなっていることが多いのです。
形式上親が相談されても反対できないことが多いという意味です。
しかも、預金の払い戻しの場合、預金を下ろしに行ったのは自分または自分の妻であるが、親に頼まれていったので、その後親が何に使ったのか知らないと白(シラ)を切るとどうにもなりません。
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