10/27/07

相続分20(みなし相続財産2)(民法348)

話をみなし相続財産の評価に戻しますと、貰ったときの評価のままですと、土地だけが突出して値上がり傾向にあるときに土地を貰った人は現金や家を貰った人よりものすごく得したことになります。
そこで、土地や貨幣を相続時の評価で見直すと言うのが判例ですから、一応公平になるはずです。
しかし、長男と次男が同じ利益を得られるように、長男には親の住んでいる家屋敷や農地1億円分、次男には自分で買うように1億円を現金をやった場合、どうなるか考えて見ましょう。
家屋敷、あるいは農地を貰った方はそのまま利用を続けて20〜30年後に親が死亡し、その間に土地の相場が5倍になっていたとして、貨幣で1億円貰った方(弟)も、すぐに1億円前後で住宅用地を購入していたとして、むしろ都会地の次男の買った土地の方が値上がり率が高くて7倍になっていた場合です。
その間に貨幣価値は、むしろ下落していたとしたらどうなるでしょうか?
最高の判例では、相続開始時の時価によると言うのですから、お金で貰っていた人は最大1億円の生前贈与にしかならず、土地で貰った方が、5億円の贈与を受けていたことになります。
お金をどのように使うかはその人の甲斐性だから、次男が土地に投資したのは、先見の明があっただけの話だと言うことでおさまるでしょうか?
どちらも生活必需品を除いて、投資運用できるような巨額の資金を貰った場合には、運用の巧拙はその人のリスクと言えるでしょうが、多くの場合必需品としての学費を貰ったとか住宅建築資金の一部を貰ったとかが殆どです。
実際の調停では、この時価の読み方として、その当時の1億円は今の2億円に匹敵したと言う言い方で話し合いが行われていますが、いずれにせよ、大都会近郊の住宅地の値あがりほどにはなりません。
土地も法律上は売買自由な商品ですが、実際には、不動産屋が商品として保有している土地は別として、投機用に土地を保有している人は少なくて、自宅その他利用目的保有が殆どです。
土地は、株式のように自由に売り買い出来るものではなく、先を見越して早く売らない方が悪いと言われても、先祖伝来の家屋敷や農地などを株式売買のように、右左に処分して値上がりのしそうな別の土地に買い換えるなどの芸当は、実際には出来ません。
都会に出ていて、お金で貰った人が値上がり率の高い土地を取得しただけの話で、特別な運用才覚でも何でもないのです。



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