10/26/07

相続分19(みなし相続財産2)(民法347)

遺留分に反するときは、勿論駄目(減殺の対象になるという意味)です。
この場合、もしも、生前に1500万円貰った子供にさらに1000万円やれと言う遺言ですと、遺留分に反することになります。
次は、生前に貰った財産が相続開始時までそのまま残っていないことが多いので、その評価の問題です。
たとえば、トヨタの株1万株貰ったとして、途中で売ってしまい、今は持っていなかったとしても、死亡時現在あるものとして計算するのです。
(1株5000円で売って、死亡時6000円になっている場合と逆に4000円に下がっている場合があるでしょうが、それは所持者のリスクまたは利益となります。)

第九百四条 前条に掲げる贈与の価額は、受贈者の行為によつて、その目的たる財産が滅失し、又はその価格の増減があつたときでも、相続開始の当時なお原状のままで在るものとみなしてこれを定める。

結構、これが難しいのです。
高度成長期を経ましたので、昭和30年ころに土地100坪、当時時価20万円だったとして、相続開始時の平成元年ころに、これが1億円になっていたときに、どう評価するかと言うことです。
兄弟三人が同じような土地を貰って、そのうち一人が途中で売ってしまった場合には、今その土地があろうがなかろうが、この条文とおり考えればいいでしょう。(前記の株券処分と同様です)
兄弟の1人が土地を貰って、一人がお金を20万円、1人が跡取として何も貰わないでいたとしたらどうでしょう。
現在1億円の相続財産があった場合、どうすべきかということです。
この点については、最判51年3月18日などでは、相続開始時の時価によるべきであるとされており、金銭についても開始時の貨幣価値に換算して計算することになっています。
学者も、おおむねこの判例に賛成しているようです。
ただこの説ですと、貨幣価値は20倍で、土地の価値が500倍になっているような場合、必ずしも公平ではないように思います。
戦後物価がすごく上がったと思っている方が多いと思いますが、実際は、生活水準が上がったことによって、或いは、所得水準が上がったことによって、貨幣価値が下がったように感じる面があります。
調べてみると、意外に物価は(米1キロの単位とか、塩100グラムでは)、そんなに上がってはいないものです。
アパートの家賃も、敗戦当時と同じレベルの粗末な家ならば、今でも安いでしょう。



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