10/25/07
同時死亡の推定23(代襲相続5)(民法345)
現行方式ですと、子供が生まれていないと、長男の嫁としていくら貢献してきても、何らの遺産を取得できない結果になるのです。
非嫡出子の相続分の問題と違い、この場合、元々配偶者の親の遺産相続の問題ですから、子の配偶者は相方の親の遺産形成に何ら寄与していない場合が普通ですから、大して不公平と言う問題が起きません。
戦前に多かった農家の嫁などの場合、問題が大きかったのですが、今では、こうしたお嫁さんは減りましたので、これを問題にする社会的な意義が薄れてきたのです。
一緒に死んだ場合でも、何百分の1秒まで同時に息を引き取ることは滅多に考えられませんが、理論的な可能性がないわけでもありません。
それはそれでで良いだろうというのは、民法の考えでしたが、実は、一緒に災難に遭う事例ではどうにもならない、証明出来ない点に問題があったのです。
昭和37年に同時死亡推定の規定が挿入されるまでは、代襲相続は、相続開始「前」に子が、死亡した場合だけでしたので、こうした不都合があったのです。
これを解決する為に、昭和37年に887条の代襲相続の条文が、相続開始「前」から「以前」と改正され、同時死亡でも代襲相続権があることが明記されました。
ただし、遺贈の場合は、逆に、以下のように同時に改正されましたので、理論とおり、同時に死亡した場合は、その遺贈は無効となります。
(受贈者は、相続開始時には、生きていなければなりませんから)
遺贈の条文を紹介しておきましょうか。
民法
第994条
遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。
2 停止条件附の遺贈については、受遺者がその条件の成就前に死亡したときも、前項と同様である。
但し、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
こうして同時死亡の明文ができましたので、死亡時期の先後、同時の三分類は完成し、さらに推定規定も出来て、分明ならざるときの解決が完成したのです。
32条の2の条文によって、どちらが先に死亡したのか不明のときには、同時に死亡したものと推定されるので、代襲相続をするのに、どちらが先に死んだか、それとも同時であったかを証明する文書が、不要になりました。
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