10/25/07
同時死亡の推定2(代襲相続4)(民法344)
観念的に何百分の1秒まで一致する死亡等は、100万に1もないでしょうが、先に死んだか後で死んだかと言う基準だけですと、飛行機事故やタイタニック号の事故などで、親子が一緒の事故で死亡したときに、どちらが先に死んだかが不明(証明できないだけです。)な場合が多くなったのです。
親が1秒でも先に死んでいれば、子が相続してからその妻子が再相続するので問題がないのですが、その逆の場合孫だけ(配偶者には、代襲相続権がありません。・・・887条を見て下さい。孫だけです。)が代襲相続します。
もしも孫がいない場合は、深刻です。
子が1秒でも後で死亡したのならば、子の配偶者に相続権が生じますが、子が先に死亡していると、(孫がいれば事実上母は、管理できますが、孫がない場合は)配偶者には何の権利もないことになります。
しかし、その関係をどのようにして立証すればいいのでしょう。
しかも、理論的には同時死亡だってあり得るのですから、誰も、証明が出来ないままでは困ります。
遺産が宙に浮いてしまい、誰も相続できなくなります。
そこで、これを立法的に解決する必要があります。
どちらが先に死亡したかを証明できない限り、誰も相続できないのではなく、どちらかが先に死亡したと推定するか同時に死亡したと推定するかの2通りが考えられます。
ひとつは現行民法のように同時に死亡したと推定し同時でなかったという人が立証するやり方ですし、もうひとつは、年齢の高い方あるいは低い方が先に死んだものと推定する方法です。
元々どちらか分からない・・・立証不能の場合の規定ですから、一旦どちらかに推定されてしまうと、これを覆すだけの立証責任を果たすことは不可能な場合が多いので、この規定の仕方によって、結果が事実上決まってしまうのです。
同時死亡推定の現行方式の場合には、原則として子の配偶者の相続権を否定する結果になりますし、後者の場合には、(特に年長者先死推定の場合)原則として、子の配偶者が相続人のひとりになります。民法
第32条ノ2 死亡シタル数人中其1人ガ他ノ者ノ死亡後尚ホ生存シタルコト分明ナラサルトキハ此等ノ者ハ同時ニ死亡シタルモノト推定ス現行法は、上記のように配偶者に代襲相続権を認めなかったこととあいまって、夫の親の遺産はよそ者に渡さないと言う思想が濃厚と言えるでしょう。
遺産が子供に行こうがその母に少し行こうが、経済的には大した違いがないのが普通ですが、(未成年の子の財産管理権は母親に帰するのです。)子供が生まれていないときには、大きな違いになるのです。
関連ページリンク
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
