10/24/07

技功的生き方と生活の知恵(君子・法・は豹変す)3

その上、もしも亡くなったときには、2億円の現金を持ったままでも、5億円の借金があるので、現金勘定はマイナス3億円、建てたビル土地は、税務署の評価で(建築費の6〜7割ですから)3〜4億円にしかなりませんから、他に土地があっても、
「差し引き殆ど税金ががかかりませんよ」
と言う銀行員のまことしやかな説明に乗ったものです。
生きている間、儲かって税金が安くなるなら、有難いですが、家賃収入が利息に足りなくて現に損をしているのですから、税金が安くなるのはあたり前でしょう。
そんな嘘っぽい商法がまことしやかに、それも銀行の営業で行われていたのですから驚きです。
これがバブル景気の一断面でしたが、こうした営業にのめりこんでいたことから分かるように、バブル破裂前に、金融機関はすでに健全な融資先を失って行き詰っていたのです。
私は、前記の親子関係事件の教訓から、法律と言うものはしょっちゅう変わるものだから、相談者の経営計画などを聞くと「今の制度はこうだから」と言う知識だけで、「常識に反したことをするのは、危険だよ」と繰り返し忠告していました。
「国会で、徹夜までして、毎年法律改正しているからね」
といって、
「国会議員は夜料亭にばかり言ってるんじゃなくて、一応法律を作っているんだよ。」
と説明していたものです。
やはり、このような変な知識で損得の決まる社会組織は長続きしません。
私が言っていたとおり、その後税制が変わって、まず、そうした節税対策としての不動産取得を規制するために、相続開始(死亡)の5年以上前の不動産取得でなければ、(すなわち5年以内)取得価格を相続税の評価とする基準になりました。
5億円で買った土地は5億円で評価すると言うのです。
(ビルの場合、取得原価から減価償却した価格)
これを逃れる為に、10年以上も前に購入していると、利息との逆ザヤに耐え切れなくなります。
その上、人の寿命は誰にも分かりませんし、普通は、相続税対策は、お爺さんが危なくなってから考えるものですから、この5年以内という規制は利いてしまいました。
かなりの人が、5年以内に死んでしまったので、大損をしました。
しかも、そのころに不動産固定資産評価の基準が変り、そのころまで都市部では時価の4〜5分の一だったのが時価の7割基準と変更され、他方でバブル破裂の結果不動産時価が低落してきたのですから2重3重の損害となった人がでました。
このように、常識的な立場を離れて、技術的な知識を振りかざすのは危険なことです。
人の生き方として、あまり小ざかしい知恵に頼らず、人倫の大本(大げさかな?)に従った生き方をしていることが、長い人生で絶対に必要です。



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

 


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資