10/23/07
相続分12(民法340)非嫡出子差別5
次に、非嫡出子の相続分が差別されている問題を、憲法違反で争えなかった事情については以下の事情がありました。
実は、遺産分割の対象地が町の中心部にあるまとまった土地でしたが、何故か多くの相続人の共有名義になっていたのです。
これは、誰かが勝手に法定相続による登記をしたものだろうとして、遺産分割の調停がされていたのですが、(私が受任したのは、調停係属から数年経ってからの中途でした。)記録を調べているうちに、昭和30年ころに、法定相続分と少し違う割合の不動産登記がされていることも分かりました。
ここで少し登記の仕方を紹介しますと、法定相続分とおりの相続登記は、相続関係を証明する戸籍謄本などを添付して申請すれば、関係者の署名や押印がなくとも出来ます。
(11/19/03「相続の効力2(共有)(民法117)」のコラムでも説明しました。)
しかし、相続分と違う共有登記をするためには、遺言書、遺産分割協議書、相続分不存在証明書または遺産分割調停、ないし審判が必要です。
こう言う訳ですから、法定相続分と割合が少し違う登記がされているということは、遺産分割ないし何らかの合意があったとしか、考えられないのです。
関係者の記憶をたどると、裁判所らしい所へ、行ったことがあると言う人もいれば、いや、代書屋さん(今の司法書士)へ行ったとか、年寄りの記憶は、はっきりしません。
相続放棄手続きを、第3者が知る方法が乏しいことを、07/25/03/相続放棄[公証機能の不備」のコラムで書きましたが、約30年前にどのような手続きがあったのかについて、法的に明確に出来ないまま、結局これは相続は終了していて、遺産分割事件ではなく、共有分割事件であろうということになってしまったのです。
共有分割と、遺産分割の違いは、07/14/03[遺留分権行使の効果]以下のコラムで説明しましたので併せてお読みください。
ま、こう言う訳で、遺産分割の結果、共有になってしまっている以上は、相続持分割合は決着済みと言うことですから、これが憲法違反であると争うことは出来ません。
ところで、非嫡出子の相続分を半分にするのは、憲法の法の下の平等に反するのではないかと言う論点があり、これについては、07/19/03「相続分1」のコラムで最高裁判例を紹介しています。
ちょうど、この判例紹介直後の判例時報で、同じく非嫡出子に関する最高裁の判例が掲載されており、(判決年月日は忘れましたが、多分印刷の都合で、出版の4ヶ月前後前のが掲載されます)結論は同じ・・合憲・・ですが、反対の少数意見が多く、しかも多数意見に対する賛成意見でも、「立法作業がここに来て停滞しているから違憲説には反対と言う本末転倒な意見があったりして、実質的には逆転している感じですので、ご紹介しておきましょう。
(法律が憲法違反かどうかを最高裁で議論しているのに、非嫡出子の差別をなくす立法作業の遅れを理由にする・・国民意識を忖度する違憲立場でしょうが・・のでは、裁判所の存在価値がありません。)
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