10/19/07
認知の虚偽届出(刑法92)
認知をするのは、男(父)の権利でもありますが、と言っても自分の子でもないのに虚偽の届出をすれば・・人の子を自分の子として認知すれば、違法です。
刑法的には、公正証書原本不実記載罪になるでしょう。
虚偽の戸籍届出ですが、虚偽公文書作成罪ではありません。
私人・・民間人のことを法的こう言うことがあります・・には、公文書を作成する権限がないので、虚偽公文書作成罪は成立しないのです。
虚偽文書作成とは、文書作成権限がある者身分のあるものが、内容虚偽の文書を作成することを言います。
賄賂を受け取る収賄罪は公務員でなければ、成立しならないのですが、こうした一定の身分資格を必要とする犯罪を身分犯と言いますが、虚偽公文書作成罪も身分犯の一種です。
文書作成権限の無いものが作成権限があるかのように文書を作れば偽造ですが、そのときは、作成権限者の氏名の冒用がなければなりません。
そこで、私人は自分では公文書作成権限が無いので、担当公務員と相談の(共謀)のうえ虚偽の申告をして、作成権限のある公務員に虚偽の内容の公文書を作らせたならば、虚偽公文書作成罪の共犯です。
しかし作成権限のある公務員は全く事情を知らずに、届出どおり受け付けたならば、公務員には犯罪が成立しません。
他方で情を知らない公務員を利用して虚偽届出をした民間人は、間接正犯が成立するかと言うところですが、元々作成権限・・身分がないのですから、虚偽公文書作成罪も成立しません。
そこで、間接正犯の理論では無理なので、公正証書原本不実記載罪という法類型が生まれているのです。
刑法(身分犯の共犯)
第65条 犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。
2 身分によって特に刑の軽重があるときは、身分のない者には通常の刑を科する。(公正証書原本不実記載等)
第157条 公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
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