10/18/07

夫とは?3(民法326)

「こういうのを夫婦と言う」とか、文学的には、
「愛し合っていなければ・・・」
というでしょうし、或いは個人的な意見として、
  「炊事、洗濯、子守りの協力をしないのは、夫じゃない・・」あるいは
  「女房子供を食わせられない男は、男じゃあない・・」
  「・・・・夫としての資格・・価値がない」ともいいます。
いろんな角度からの定義、持論があると思いますが、ここは法律的な意味で考えていきましょう。
夫、妻と言うのは自明の言葉として、婚姻の効力の冒頭から何の定義もなく出てくるのですが、それならば、法律以前の定義でいいのではないかと思うでしょうが、民法ではそうではないのです。
ここで問題としている「夫」とは、嫡出否認出来る夫のことであり、生まれてきた子が嫡出子と推定される夫のことです。
結局は、社会的・文学的ないろいろな広がりのある常識的夫婦概念の中で、婚姻届出をした夫婦だけを法律で切り取って法律上の夫婦というのでしょう。
ここでも、戸籍届出を絶対的な条件としているのです。
世の中の多様な夫婦概念を、国家の力で、国家管理に都合の良い届出した夫婦形態一つしか認めないという窮屈な思想です。
こうした時代が長く続いたので、届出していない夫婦は、自分から卑下して
「まだ届出していないので、正式な夫婦ではないけどね・・・」
などと言うようになりました。
社会的には、正式であろうとなかろうと夫婦は夫婦であって、正式も何もありません。
何となく届出しない夫婦は、非道徳な印象に貶められているのですが、夫婦の実態があれば厳然として夫婦でしょう。
あるいは、住所と住所異動届の関係を09/23/02「住所とは? 3(住所決定の規準)」前後で紹介しましたが、今では住民票上の届出をしていないと、現にそこで住んでいても、ここはほんとは住所ではないと倒錯した発想をする人の方が多くなりました。
各種の届けに協力するか否かは、政府の国民管理政策に協力するかどうかと言うだけのことであって、実際に住んでいるところが住所ですし、届けなくとも自分の子は自分の子です。
各種届出をしたか否かと本来の道徳的価値基準とは何ら関係がないのですが、今では何かにつけて、役所に届出しないと何となく悪いことをしている感じです。
そのうち、東京や横浜に出かける都度、届出しなければならない時代が来ると、実際に横浜にいても、私は今、横浜にいない、今日は千葉にいることになっていると言う、倒錯した観念を抱く人がでてくるでしょう。
そのうち、住基ネットに応じない住民は、住民ではないといわれる時代が来るのでしょうか。
「自衛隊は、立派な戦力だから憲法違反じゃあないのか?」などと議論すると、今では、「この人は頭がおかしいんではないか?」と思われるようになりましたが、国家の宣伝力・威力は強いのです。



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