10/17/07

嫡出子、非嫡出子6(民法323)

庶務と言うのは、いかにも雑用係的なイメージなので、嫌われたのでしょうが、雑用が無くなるわけではないので、今では管理課などの名称で、雑用をしているようです。
(会社や組織を管理しているような名称なので、偉くなった感じになるのでしょう・・これも言葉のインフレの一種です。)
小学校などでは、サザエさんに出てくるような子使いさんがいなくなって、校長や教頭が、校庭の掃除や雑多な管理をしているようです。
庶子無くなった以上に「嫡子」などと言う言葉は、日常生活では、とっくに廃れているはずなのに、現在の法律にそんな言葉があるとは、知らなかったと言う人が多いかも知れません。
前置きばかりになりましたが、前回紹介した条文を見れば分かるように、法律上嫡出子と言うのは、単に婚姻(戸籍届出期間中という意味です)した夫の子であれば、嫡出子と言う事が分かるでしょう。
嫡出子の意味は、歴史上自明のこととして、条文に定義はありませんが、一定の場合に嫡出を否認出来ると言う条文から、逆に嫡出子の意味が浮かんでくる仕掛けです。
これらを総合すると、戸籍届出をした夫婦の間で生まれた子を嫡出子ということだと分かる仕掛けになっているのです。
しかし、元々庶民には、嫡出も庶子も区分けするような意味がありませんでした。
ところが、明治政府は、長屋、掘建て小屋に住んでいる庶民(小作人)丁稚小僧にまで、嫡出子、非嫡出の制度を導入したのですから、正面から嫡出子の定義を書くのは、あまりにもオコガマシイので憚られたのかも知れません。
四民平等というわけです。
源氏だ、平家だと言う大げさな家に生まれていなくとも、戸籍届出をした夫の子供であれば、嫡出子となるのですから、何となく偉くなったような気分です。
長屋の人までひっくるめると、今の時代と言わずとも、明治の初めから、たった一人の妻とその子を養うのも大変なのが庶民というものですから、第2第3夫人などいる人は滅多にいません。
ですから、今では、親が婚姻届出さえ出していれば、国中・・乞食・路上生活者まで含めて嫡出子ばかりです。
逆に、どんなに立派な結婚式をしても戸籍届け出をしなければ、庶子どころか最近では「私生児」という日陰者的名称で呼ばれるように仕向けているのです。
誰が言い出したのか知りませんが、「私生児」となると、庶子よりもさらに一段と道徳的非難要素を含んだ用語です。
私生児というと何となくこっそり生んだ・疚しい子のような印象ですが、親が戸籍上婚姻届をしていないというだけの理由で、そう呼ばれるようになったのです。
私=ひそかに生んだのではなく、堂々とみんなに祝福されて生まれても、両親が婚姻届出をしないと私生児というのです。
こう言う蔑称が何時の間に定着したのか知りませんが・・・・何時の間にかマスコミが政府の意を受けて流布させたのでしょうか・・・・。



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

 


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資