10/16/07

嫡出子、非嫡出子6(民法322)

戸籍だけを基準にする現行法体系は、公共団体の行政指導にしたがわないと「水道供給しない」などの嫌がらせをするのと同じ発想で、一番弱い子供にしわ寄せしているのです。
以下の773条は、再婚禁止期間中に再婚の届出が受理されてしまった場合、どちらの戸籍上の夫婦の子とするかの規定です。
硬直的な戸籍制度ですが、事実と違ったときにこれを破ることが出来るのは、774条で男性だけになっているのが問題を大きくしているのです。
嫡出否認制度については、この後に別に書きますが、ついでに条文だけここで紹介しておきましょう。

民法第773条 第733条第1項の規定に違反して再婚をした女が出産した場合において、前条の規定によつてその子の父を定めることができないときは、裁判所が、これを定める。
第774条 第772条の場合において、夫は、子が嫡出であることを否認することができる。
第775条 前条の否認権は、子又は親権を行う母に対する訴によつてこれを行う。親権を行う母がないときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければならない。
第776条 夫が、子の出生後において、その嫡出であることを承認したときは、その否認権を失う。
第777条 否認の訴は、夫が子の出生を知つた時から1年以内にこれを提起しなければならない。
第778条 夫が成年被後見人であるときは、前条の期間は、後見開始の審判の取消しがあつた後夫が子の出生を知つた時から、これを起算する。」

話を嫡と庶に戻しますと、庶弟と言う言葉なくて庶兄だけ一般的になっているのは、自分より年上だが、正当な相続人ではないという意味を強調するために必要だったからでしょう。
現在では戸籍届けをした夫婦の子か否かだけが、嫡庶の基準ですが、昔は戸籍制度度がなかったので、源頼朝の例でも分かるように、母親の地位・・実家の家格で妻?とその子の地位が決まって行ったようです。
(源氏物語では、後から皇女である女三宮が来ると紫の上の地位が繰り下がったのも、その例です。)
戸籍制度に従うかどうかだけで嫡と庶の区別をするのであって、家柄は関係がないという明治の制度は、四民平等の理念には、合うのですが、今度は戸籍制度に従うかどうか・・国の管理に従うかどうかだけを基準に無理にいろいろ押し付けている矛盾が出ているのが、この嫡出制度です。
嫡と庶の実用例に戻しますと、昭和40年代ころまでは殆どの会社には総務課のほかに庶務課・庶務係りというものがあって、誰でも知っていましたが、このころさっぱり聞かなくなりました。
(7〜8年前に庶務課を舞台にした「ショムニ」と言う映画を見たことがありますが・・・滅び行くものへの挽歌だったのでしょうか?)



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

 


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資