10/11/07

相続分17(兄弟姉妹1)(民法308)

擬制をやめると、放棄者の子供の地位はどうなるかですが、それは、今でも解釈で解決しているだけです。
今は、放棄した者は初めっから相続人でなかった・・・相続の関係では、その子がいなかったものと擬制する以上は、その子は被相続人の孫・直系卑属であることは厳然たる事実ですが、法律上は子がいなかったことになるのですから、その孫も存在しないことになります。
結局は、代襲相続することができないという解釈です。
現行法は、なるべく遺産が兄弟に行くように行くようとに導いているのです。
これが、みなし規定がなくて、その放棄者限りの規定にすれば、孫は代襲相続できることになる・・あるいは立法的に、相続者にすることが可能でしょう。
ただし、親がいらないと言うものをその子がほしい場合を考え難いのですから、あまり意味のない議論ですが、本当にいらないのではなく、子供の名でほしいと言うときに便利です。
世の中で一般に「私はいらない」と言うときにもいろんな意味があります。
本当に、まったく要らないという人もいれば、そんなものはいらない・・、もっと別のものを欲しいと言う意味で拒否している場合が多いのですが、そのほかに「自分はいらないが、自分の貰い分をだれそれにやりたい」と言う「いらない」も結構あります。
この最後の「誰それにやりたい」と言う意味でいらない人の解決法で放棄を選択すると、現行の放棄・・みなし制度は齟齬を生じるのです。
10/10/07「相続分16(民法305)(子供がいない場合6)」で紹介した母親に集めたいとして放棄した事例は、こうした場合に該当するものです。このすぐ後で書きますが、放棄は国家に対する行為であって、契約ではないところが普通人の意識とずれてくるのです。
本来、自分の相続分を誰それに譲りたいと言うならば、いらないなどと半端なことを言わずにそのとおり表示すれば、そのとおりの効力の出る相続分の譲渡という制度が用意されているのです。
相続分の譲渡については、このシリーズの後の方で紹介しますが、その間にいろいろ挟まる傾向があるので、大分先になるかもしれません。
現在では、放蕩息子には遺産をやりたくないが、孫にはやりたいと言う事例・・相談が結構多いのですが、現在では孫に相続させるには、別に養子縁組しておくしかないのです。



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