10/10/07
相続分14(民法302)(子供がいない場合4)
今では逆に、先祖伝来の遺産がある場合の例外を決めておけばいい時代です。
(登記上先祖伝来・・というか、親からの継承であることが分かる不動産だけ、兄弟姉妹が何分の1か相続できるなど・・・)
子供のいない夫婦で夫が先に死亡すると、遺言その他の手当てをしておかない限り、死亡した者の妻や夫が住んでいる居宅の何分の一かの権利が自動的に配偶者の親兄弟に生じてしまうのを原則とする今の法制はおかしいでしょう。
現在も将来も先祖伝来あるいは、親から相続した遺産はなくならないでしょうが、その占める割合が下がる一方です。
法と言うものは、原則的場合に対応するようにしておくべきであって、例外的場合に対応するのは特約・・相続で言えば遺言で対応するべきです。
子供のいない場合には、遺言や生前贈与で手当てすることがある程度(ただし、遺留分制度があるので、完全ではありません)出来るとしても、現状を見ると、現行法は原則と例外がひっくり返っているのです。
子供がなくて死亡すると、夫(妻)の母親が、99歳で介護施設に入院中でも・・・完全ボケでも、それは行為能力がないだけであって、相続人となる権利能力は、人として生きている限り存在するのです。
権利能力と行為能力の違いについては、12/07/02「権利能力と法律行為能力(民法18)」〜12/19/02「動植物の権利能力 3 」あたりまでのコラムで紹介しました。
と、いうわけで、どんな状態でも、生きている限り相続権者となる権利能力があって、これを逃れるために遺言を書いておいても、母には遺留分権があるのです。
実際にこれを主張するのは、結局はその結果に利害のある子供達(夫の兄弟姉妹)の・・意思になります。
そして死亡した長男や次男よりも、その母が1分1秒・・1時間でも遅く死亡すれば、一旦は、夫の遺産の相続権3分の1は母親に移り、その母の死亡によって、(嫁さんには夫の母の遺産には何の相続権もありませんから、)夫の母が取得した息子の相続分は、夫の兄弟あるいはその子らに移っていくのです。
民法
(遺留分の帰属及びその割合)
第1028条 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
1.直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の3分の1
2.前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の2分の1
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