10/09/07

相続分13(民法301)(子供がいない場合3)

遺産全部を相続した長男が、結婚したばかりのときに死亡した場合など考えれば、育ての親の相続権を完全否定するのは、合理的ではありません。
この民法の規定は、結婚すれば、1〜2年内に子供が生まれることを前提にした社会を想定していたのでしょう。
現在のように結婚後10年以上たっても子どものいない夫婦が増えてくると、結婚後何十年たっても、子供のいない限り配偶者の親が一定の割合で権利があるのは、現実的ではありません。
ここでも、子供もがいるかどうかの基準ではなく、結婚後の経過年数に応じて、相続分の区分を作るべきだという私の年来の主張になってくるのです。
何十年もすれば、親は死んでいるかも知れませんが、今では、90台でも元気な人が一杯いますし、元気でなくとも・・・痴呆症状でも生存している限り相続権があることになります。
先祖伝来の遺産相続の場合・・・・、これからは、こうした事例は例外に属しますし、仮にあるとしても、これからは親も長生きですので、若夫婦が結婚したばかりで、既に先祖伝来の遺産を相続していることは、皆無に近いしょう・・・・・夫婦で築いた財産中心の時代になってくると、なおさらです。
相続分については、配偶者か兄弟かと言う身分によって固定しないで、結婚後の一定年数ごとで区切って、何段階かに相続分比率を分類していく方が合理的です。
こうした考え方・立法論については、07/12/03「遺留分 9(老人の再婚6)(民法57)」などで紹介しました。
ましてや、直系尊属のいない場合、配偶者の兄弟姉妹まで相続分があるのは、おかしいでしょう。
子供のいない独身者の相続の場合、兄弟姉妹が相続権を持つのは良いとしても、配偶者がいれば、一定割合で兄弟姉妹が相続する必要がないでしょう。
仮に先祖伝来の財産が多く含まれている場合でも、家督相続時代と違い、兄弟平等に分けた結果であるならば、結婚して何十年もすれば、それを兄弟にもう一度分け直す必要がないでしょう。
平均寿命である70台半ばで夫が死亡したときを想定しますと、その数十年前に夫の親が平均寿命で死亡して兄弟間で500〜1000万円づつ分けてもらっていたとしても、数十年前に貰ったことを理由に、今度は自分の夫が死んだときに、残された奥さんが、夫の兄弟(あるいは甥姪に)に対して銀行預金その他洗いざらい公開して遺産分けしなければらないなんて、変な制度だと思いませんか?



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