10/08/07

相続分10(民法298)子供2

これまでも書いてきましたが、戦後長い間配偶者の相続分は3分の1でしたが、昭和50年代に2分の1に引き上げられたのは、妻の基本的持分が元々2分の1あるべきだという平等論と少子化の進行とに関係があるでしょう。
それまでの配偶者相続分3分の1のままですと、子ども一人の場合、子どもの方が母親の相続分の2倍になってしまう不都合が顕在化してきたのです。
現行法の2分の1ならば、逆転現象は絶対に起こりませんが、それでも一人っ子が増えてきたので、母親と子どもの相続分が等しい事例が多くなってきました。
相続を、先祖伝来の家の資産を次世代へ継承することだと見れば、よそから来た嫁よりは、子供が相続するのが本来だったでしょう。
また、世代の継承と言う意味でも配偶者への横の移転は、世代継承でもありませんから、その意味でも例外現象だったはずです。
現在の都会人のように、夫婦間で形成した資産の方が多い・・主流の時代になれば、夫婦世代の移転は相続ではなく、実質共有者の一人が、先に死亡したに過ぎないと言う処理が合理的です。
配偶者が生きている限り、・・世代継承とは関係ない・・相続ではないとすれば、配偶者が全部取得すべきです。

民法
(持分の放棄及び共有者の死亡)
第255条 共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。

他人間の共有でも、上記のように相共有者にその持分が帰してしまうのですが、夫婦の場合、残された配偶者の全部持分になっても、結局はその子が相続できるのですから、それほど実害がありません。 
ただし、夫婦の財産は実質共有だと言っても、結婚したばかりの夫婦から数十年経過した夫婦まで多様です。
こうした考え方から、元々、結婚後一定期間(たとえば5年毎に)経過ごとに区切って、割合を定め、最後は文字通り実質共有だろうから、100%配偶者相続にすべきだと言うのが、私の持論です。
これに対して、まだ、先祖伝来の遺産と言うものに重点を置く立場からは、よそからきた嫁よりも、孫・子に多く継承させるべきだと言う発想になるのでしょう。
法的に問題にしなければならない先祖伝来の遺産と言うのは、その殆どが不動産でしょうから、婚姻後一定期間経過で、原則として配偶者100%相続とし、死亡した配偶者の直系尊属から承継したことが登記上明らかな財産に限って、子が一定割合で相続する・あるいは遺留分権を残すという決め方でも法的には混乱が生じないでしょう。



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