10/02/07
消費貸借契約2(民法286)金銭消費貸借契約とは?
消費貸借での貸主の担保責任(590条)と言っても、現在のように、金銭消費貸借が主流の時代では、イメージし難いですが、種モミなどの貸し借りが、歴史上意味があった時代の名残でしょう。
現在で考えられるのは、商社間で、逼迫した在庫事情のために、同業者から商品を融通してもらった場合、その中に粗悪品があれば、この規定の適用があるのでしょう。
ちなみに金銭消費貸借という言葉は、今ではおかしなものかも知れません。
お金の貸し借りは、金員消費貸借という表現もありますし、金円消費貸借という言い方もあります。
お金といえば、通貨価値を表す日本語ですが、漢語にするときは、金何円、金何両と書かねば、金そのものの消費貸借と間違いが起きますので、不正確になるのです。
ちなみにビタ銭と言う言葉がありますが、円以下は金ではないから、金と銭を合わせた金銭消費貸借というのは正確だったでしょう。
金銭消費貸借という表示は、1円以下の銭単位の紙幣・貨幣の通用していた時には、その表示は合理的でしたが、今は流通していないのですから、不正確でしょう。
そもそも不換紙幣になった以上は、「金」何円と書くこと自体誤りです。
現在では、金○○円という表示ではなく、単に日銀券何円と書くべきでしょうか?
とは言え、理屈ばかりでは味気ないことです。
ただし、これは意味がないことではなく、契約段階でドル表示か、フラン表示かマルク表示か契約で決めるべきですから、国際化した現在では、それほど突飛なことではありません。
明治に出来た民法でも、国際通貨を念頭に置いて立法しているのです。
むしろ、開国によって国際的に通用する法律を目指していた時代・・貨幣法が出来たのも次回紹介するようにこのときでした。
民法(金銭債権)
第402条 債権の目的物が金銭であるときは、債務者は、その選択に従い、各種の通貨で弁済をすることができる。ただし、特定の種類の通貨の給付を債権の目的としたときは、この限りでない。
2 債権の目的物である特定の種類の通貨が弁済期に強制通用の効力を失っているときは、債務者は、他の通貨で弁済をしなければならない。
3 前2項の規定は、外国の通貨の給付を債権の目的とした場合について準用する。
第403条 外国の通貨で債権額を指定したときは、債務者は、履行地における為替相場により、日本の通貨で弁済をすることができる。
現在の金何円という表示は、本来金に換算して何円という意味で、明治の兌換紙幣の発行によって始まったものでしょうが、兌換紙幣から不換紙幣になった時点でこうした表記方法を改める必要があったはずです。
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