10/01/07
貸借契約1(原則と特則2)民法283
賃貸借法の対象一般は、ボールペンや自転車の貸し借りから始まって、車のレンタルその他無限の多様性があるのですが、「借りたものは、約束した期限に返す」のが法の基本です。
そもそも貸借契約とは「借りて、返す」ことを内容とする契約です。
返さない契約なら貸借契約とは、言いません。
お金や米、醤油のように一旦借りても、そのもの自体を消費してしまい、期限には、同種のものを返せばいいという消費貸借契約もありますが、いずれにせよ期限・相応の期間がくれば、借りたものまたは同種のものを返すことに基本的性格があるのです。
私の子どものころまでは、「ちょっと醤油を切らしたから・・・」とお隣から借りて翌日返す様な、借り方の説明をされると、消費貸借の意味がすぐ理解できましたが、そういう関係がなくなって久しいのでピンと来ない方が多いかもしれません。
近隣お付き合いが希薄になっただけではなく、消費物資が豊富に出回っていて切らすような事態がなくなったことと、簡単に近くのコンビニで買えるようになったことが大きいでしょう。
借りるのは精神的負担ですから、隣の人に頭を下げて借りるよりは、数百メートル先のコンビニで買ってきたほうが良いという時代です。
この心理が友人や親戚からの借金よりは、サラ金から借りた方が簡単という風潮をもたらしたのです。
借りる順序が、昔は友人知人親戚から借りられなくなって、初めて高利貸に手を出すものでしたが、今では、サラ金から借りられなくなってから友人に借りたり親に泣きついていくという逆転現象が起きているのです。
話を戻しますと、借りれば返すのは理の当然ですが、賃貸借契約で期限を定めていない場合でも、一定期間の催告で期限が終了するのは、そういう本質があるからです。
ちなみに、契約期間を定めていた場合、自動更新したときには、前「同一の条件で・・」という文言から、また従来の契約期間である5年とか10年とか借りられるのかと誤解している人が多いのですが、そうではありません。
貸主は、その後は期間の定めのない契約として617条の解約申し入れが出来ます。
(619条参照。)民法
第三款 賃貸借の終了
(期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ)
第六百十七条 当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
一 土地の賃貸借 一年
二 建物の賃貸借 三箇月
三 動産及び貸席の賃貸借 一日
(賃貸借の更新の推定等)
第619条 賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第617条の規定により解約の申入れをすることができる。
関連ページリンク
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
