10/28/06
裁判官の資質5(丙案実施以降)
司法試験合格者増による低レベル化を、10/12/06「弁護士資格の破綻1(粗製濫造)」前後で書きましたが、上記事例とは直接関係がないでしょう。
裁判所の場合には、大増員の問題と言うよりは、東京の大手弁護士事務所による青田刈りに問題があるように思われます。
大手法律事務所では、バブル直前のころから(と言うことは、既に20年前後も経過しているのです。)司法試験合格発表直後から、現役またはその近接合格者(東大など有名大学のツテで)に対する就職勧誘が猛烈で、研修所入所以前に大方就職が内定しているといわれるようになりました。
このころまでは、裁判所が、司法研修所の内部成績を把握できる立場にあるので、優秀な順に裁判所が採用していたのです。
しかし、バブル直前ころからは、大手事務所が先ず、優秀な若手を採用し、裁判所はその次の人材受入先となって来たのです。
官側による人材獲得の危機感から、平成2年ころにいわゆる丙案が考案され、従来の500人枠では不合格となっても受験回数の少ない・・・すなわち若手に限り250人合格者増を図る改革案が実施されたのです。
ちょうどこの議論の始まりころには、私が日弁連の司法問題対策委員として関与し、(そのころには法曹養成委員会などはまだなくて、そのころに専門委員会として対処する必要があるということで、出来たものです。)丙案決定のころには、ちょうど千葉県弁護士会の担当副会長として内部意見を集約するための会内討論会などを司会したものでした。
このときは、何故若手ばかり優遇するのか?
「裁判所や検察庁が若手にこだわるのはおかしい、内容が硬直しているから任官志望が減ったことを反省すべきだ」
と言う批判がされていたのですが、結果的にこの丙案増加分が裁判所や検察庁に行ったのでしょうか?
今年の59期の裁判官採用110人あまりの平均年齢は、27、5歳と言うのですから(35歳が最高です)驚きです。
我々修習のころには、司法試験現役合格者か24〜25歳前後までが、任官者の相場でした。
若ければ良いと言う訳ではないですが、大量合格者化で合格者の年齢構成は若返っている筈ですが、平均年齢がこのように高くなっているのは、人材獲得競争結果の一つの暗示でしょう。
バブル以降18〜20年間にわたって、人材獲得競争で裁判所は大手弁護士事務所に遅れをとっているのではないでしょうか?
裁判所は司法研修所を運営しているので、どの程度の成績の者がどういう所に就職しているかの分布図を持っているので、人材獲得策を練っているはずです。
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