10/20/06

具体的妥当性1(民法169)一般条項

日本の裁判所が、過去の理屈や先例ではどうにもならないときには、民法第1条の「信義誠実の原則」や、「権利の乱用は、これを許さず」と言う原理で裁判できることを12/12/02 「権利の濫用(民法19)」のコラムで紹介しました。
或いは、民法90条の「公序良俗に反するものは無効とする」と言う、法理も良く使われます。

民法
第1条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
3 権利の濫用は、これを許さない。
第90条 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。

これらの条文の存在は、これまで紹介してきたイギリスの衡平法裁判所などの歴史があるからでしょう。
また、資本主義国でも社会福祉政策は体系から言えば矛盾関係ですが、そういう教条的なうるさいことをいわずに、原則には例外があると言う考えで、これを採用できるのも同じことかも知れません。
世の中には、理屈の積み上げだけによる結論では、実質的な解決ができない事態がありますので、こうした場合に落ち着きの良い解決をするためには、別の組織が必要なこともあるのでしょう。
ただ、現在のわが国では、弁護士がつく事件では、まさに雁字搦めの法的解決ではなく、大局的な観点からの和解を進めるのが普通です。
(法律家でない人は、法律万能主義・形式主義の主張をして来る人が多いので、相手に弁護士がついてくれた方がこちらも、落ち着きのよい解決が出来て助かることが多いのです。)
今のところ日本ではこうした包括条項が、事実上エクイテイ的な機能を果たしていますし、栽判所も100%近くこうした基準で、和解勧告をしますので、裁判の殆どが和解で終わっているのが実状です。
また、実際の揉め事は、法の文言どおりでは納得できない一方当事者がいることが、多いのです。



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