10/14/06
刑務所の歴史9(徴治場)公衆衛生の重要性
冗談は抜きにして、「近代的な」という意味は、犯罪者の更生のための刑罰は、如何にあるべきかと言う視点と、応報・見せしめの兼ね合いを研究して制度設計するようになったものと言う程度の意味です。
これに、衛生と言う近代思想も持ち込まれたことも含まれるかもしれません。
何しろ、江戸時代の牢屋の衛生状態の悪さは半端なものではなかったので、(犬の繁殖所・ブリーダーの汚さを想起すればいいかもしれません。)服役や死刑で死ぬよりも、未決中にばたばたと死んでいった方が多かったくらいです。
衛生思想の発達した我が国でもそうですから、(何しろ、何をするにも、先ずは拭き掃除させますからね)汚い生活をしていた西洋では目も当てられないくらいの不潔さだったでしょう。
衛生と言うとあたりまえの思想のように思っている人が多いと思いますが、これは実は近代のもっとも先進的な思想の産物なのです。
医学の各種発明発見は、目覚しいので、その先駆者の名前で覚え易いのですが、実は衛生思想ほど人類の健康に大きな影響のあるものはありません。
ここ数年、騒がれているサールス防衛についても結局は、特効薬よりも公衆衛生・衛生観念の差といわれているのです。
日本は、明治維新での海外新知識の導入に際して、国民の一番気になる分野ですので、公衆衛生学についても力を入れました。
私の記憶では、文豪森鴎外は、その研究・・・新知識導入のためにドイツへ留学したと思いますが、子供の頃に読んだ伝記のうろ覚えの記憶ですので、間違っているかも知れません。
医学の進歩も重要ですが、汚いものを食べて集団中毒にかかっているのでは、いくら医者がいても足りませんから、公衆衛生ほど重要なものは有りません。
鴎外は、軍医としての留学でしたから、軍隊の集団食中毒や、病気発生の予防のために留学したのでしょうが、兎も角衛生思想が西洋でも広まっていたのです。
監獄・刑務所でも、衛生その他の思想が広まってきますと、裁判待ちの未決囚,債務不払者,刑執行待ちを収容し,懲治場とも融合していた未決牢獄の不衛生・雑居・混禁の弊害が問題となってきます。
関連ページリンク
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
