10/11/06

資格緩和6と淳風美俗2(終身雇用と人材派遣業法)

企業の従業員に対する関係でも、一旦採用した以上は、運命共同体としての潜在意識があるから終身雇用制・・・余程のことがない限り組織から排除せず、死ぬまで付き合う関係が馴染みやすいのです。
従業員の方も、自分から辞めたくともなかなか辞めるとは言い出しにくい雰囲気があるのも、そうした深い共同体意識の結果でしょう。
最近人材派遣業が発達していますが、それでも派遣先の企業が、派遣された人をそのまま自分の会社の正社員として採用する道が開かれたのは、こうした国民意識と関係があるでしょう。

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律
(昭和60・7・5・法律 88号)
(派遣労働者に係る雇用制限の禁止)
第33条 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者又は派遣労働者として雇用しようとする労働者との間で、正当な理由がなく、その者に係る派遣先である者(派遣先であつた者を含む。次項において同じ。)又は派遣先となることとなる者に当該派遣元事業主との雇用関係の終了後雇用されることを禁ずる旨の契約を締結してはならない。
2 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者に係る派遣先である者又は派遣先となろうとする者との間で、正当な理由がなく、その者が当該派遣労働者を当該派遣元事業主との雇用関係の終了後雇用することを禁ずる旨の契約を締結してはならない。

工場や各種作業関係で、「何々組」としてまとめて人材派遣する旧来の下請け的な関係では、その組ごとの人間関係ですから、人材引き抜きは業界倫理に反するでしょう。
もっと深く、古めかしく言えば、主従の紐帯破壊行為でしょう。
(引き抜かれる方も、何となく元の主人・・雇い主に対する後ろめたい感じが残るものです。)
しかし、人材派遣業の場合には、砂粒のように一人一人が個人として派遣されるので、派遣元との人間関係は、登録しているだけで薄い関係です。
むしろ派遣先に行って1年〜2年単位で1日中働きますので、そこでの人間関係・・・一体感の方が醸成されやすいのです。
ここでは、人材引き抜きは、商道徳の倫理だけですから、割り切りやすいから、ワザワザこのような規定を設けて引き抜きを自由化したのでしょう。
話を同胞意識・・いわゆる淳風美俗に戻しますと、私の詳しい分野である司法試験制度・・資格制度に話を戻しますと、合格枠を無茶に広げた結果、本来合格すべきでなかった人物まで修習生になってしまったとしても、自分のところに来てしまえば、一種の仲間になってしまったのですから、この排除どころか、その放置(勝手にしろと言う)すらも心理的には難しいのです。
「窮鳥懐に入らば猟師も・・・」と言う諺どおり、先ず、何とかしてやりたいと言う情が起きるのです。



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