10/08/06

資格の緩和と就職難2(合格留保)

弁護士業界の場合には、採用段階で拒否をするだけでは、能力に欠ける人材の参入を拒めない特殊性があるのです。
弁護士会では、不適格者を懲戒で除名する方法はありますが、それは、犯罪的行為をしたものに対するだけですから、その以前の能力不足による社会信用の失墜防止には、対処できません。
業界構成員の一定の質を高めるには、誰でも良いから先ずやらせて、その後の市場化テストで篩い分ければ良いだろうと言う方法は出来ないので、資格試験をきっちりするしか方法がないのです。
そこで、出口で絞る気になったのかどうか知りませんが、今年の司法修習生の卒業試験(2回試験と言います)では、(卒業予定者約1500人中)107人に上る合格留保(不合格を含むのかな?)が出たと言う噂です。
(正確には、今月中に開かれる日弁連での司法研修所との協議会(弁修協と言います)に出席すれば、その内容が分かるでしょう)
実際には合格留保と言うのは、追試を受けて一件落着と言う仕組みですから、ほぼ全員年明けには世の中に出てくるでしょうから、数ヶ月資格付与を先送りするだけでしかなく、結果的に出口での絞込みにはなりません。
合格留保者が直ちに弁護士にふさわしい能力に欠ける者と言う訳ではないのですが、実質的に見ても弁護士になるにはどうかな?と言う多くの人いたとした場合、彼らが弁護士資格だけ得て社会に出るのは困りものです。
弁護士は、試験だけで一人前になるのではなく、就職して何年(平均3〜4年です)かそこで修行して1人前になっていくのが普通ですが、就職し損ねたものはかえって、この訓練機会すら与えられなくて、いきなり社会に飛び出すのですから、2重のハンデ・・問題となります。
(原則として、能力順に就職して行くものと仮定すればの話しですが・・・・・・世の中には当然例外もあります。)
資格付与基準には一定の厳しさが必要ですが、可哀想だからと言う甘えの構造で、無制約に資格だけ付与し続けると、(形だけ合格留保にして、数ヵ月後には結局合格させるやり方)弁護士に対する社会の信用をなくしてしまい、そのうち世間からしっぺ返しを受けるでしょう。
ちなみに、司法試験は法曹3者の資格試験の筈ですが、何故弁護士だけの問題になるかと言うと裁判所も検察庁も弁護士事務所も一定水準に達しないと採用しないと言う絞込みをするのは同じですが、この選に洩れた人材は、勝手にフリーの裁判官や検察官になれません。
弁護士だけは、卒業さえすれば、フリーの弁護士になれるので、不良弁護士発生の問題が起きるのです。



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