10/29/05

アメリカ政策変更9(民主主義武力押し付け

これら政権は、反米とか反イスラエルとスローガンだけは掲げるのですが、これまで書いて来たように軍事政権ですから、それ以外の地道な経営能力がないので、結果的に国民の意思から遊離している状態でした。
それにも拘らず、何時までたってもエジプトのような現実的政権にならないのです。
一つには中南米の民度の成熟度が劣るために軍事政権が長く残ったように、同じ中東でもエジプト以外の国では、近代の政治経験が乏しいことが、政権自体の成熟を難しくさせている原因でしょう。
エジプトは、スエズ運河のおかげで、早くから、近代国家と交流があったのです。
これはアジアでもシンガポールや香港がいち早く近代化したのと同じでしょう。
これに対し、その他の中東諸国は、石油産出国として欧米から注目を受けるのは戦後のことですし、その上、資源産出国でしかないので、商業的なかかわりと違って、政治的成熟も遅れやすいのです。
これに加えて、10/16/05「西洋の植民地支配と王制存続2(中東諸国の王制・・イラクの破綻)」のコラムで書いたように、これら諸国はエジプトと違って石油産出国で、その収入が保障されているために、軍事政権の経済失政が表面化しにくいところが大きかったでしょう。
しかし、その分経済的には、次第に西側諸国に組み込まれて行きましたので、実態的には、政権発足当初のソ連より性格が、次第にアメリカ寄りにならざるを得ない面もあったのです。
元気の良かったイラクのフセイン大統領も、このおよそ20年も前からイランと戦争してみたり、アメリカの言いなりに行動していたのです。
石油収入にあぐらを書いて来たのが、中東の軍事政権と言えるでしょう。
話が飛びますが、リビアのカダフィ政権が長持ちしているのも、国民の成熟度の低さと石油収入を抜きにしては、考えられないでしょう。
そして、アメリカによる今回のアフガンやイラクへの民主主義の性急な押し付けは、本当は国民の支持を受けていないのに、「反イスラエル」と「石油収入」だけで命脈を保っている、軍事政権の現状(虚構)を衝いたものではないでしょうか。
これを民主主義の伝道と言う使命感を強調すれば、一種の十字軍的発想になぞらえる人が出てきます。
しかし、これではイスラム対キリスト教の中世の戦いの復活戦みたいで、イスラム世界全体を敵にまわすことになるので、このような表現は直ぐに影を潜めました。



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