10/23/05
ベトナム戦争最盛期、アメリカでは、ロストフという学者のドミノ理論(当時ロストフ論文とか言っていたように思います)が、ダレス長官によって展開されました。
ドミノ理論と言うのは、要するに将棋倒しの連想ですが、南ベトナムの共産化を放置すると周辺諸国も将棋倒しのように、なだれを打って共産化してしまうという論文でした。
実際には共産主義ではなく、民族自決運動・単なる反政府運動を弾圧するから、ゲリラ化し、それを同胞の北ベトナムが影で応援しているだけでないかというのが、ベ平連などの反戦運動団体の言い分でした。
ベトナム戦争の実体は、後世の歴史が証明していくのですが、将棋倒し論ほど、強がりを言う勢力に便利な思想はありません。
将棋倒しで、子供の頃は良く遊びましたが、今では、将棋倒しの遊び自体の説明が必要な時代かもしれません。
将棋倒しの遊びが廃れた以上は、遊び方の方はどうでもいいことですが、昨今にぎわしている右翼っぽい論法は、この理論の応用です。
曰く
「靖国で一つ譲れば、次々と譲ることになる」
何時の時代にも、弱腰外交批判があるものです。
チェンバレンの宥和政策がナチスの膨張を許し、ナチスが大きくなりすぎたことがいつも例にあげられますが、相手が、「付け上がるタイプ」かどうかの見極めも大事です。
しかし、相手の性質(たち)が悪いかどうかよりも、客観的状況の読みこそが重要ではないでしょうか?
ベトナムに関しては、アメリカが敗退しても廻り中が共産主義国家になることもなく、それどころか、アメリカと戦っていたベトナム自体が、いまや自由主義貿易に参加している普通の国になっているのです。
逆にアメリカが意地になってがんばっているときの方が、廻り中が共産化していったのですから(カンボジャのポルポトなど)皮肉なものです。
要するに、その指導者の性質(たち)が悪いかどうかではなく、客観的に豊かな方に変化したいのが人情ですから、無理に国民の人気のない軍政の後ろ盾になる必要がなかったのです。
時間がたてば、落ち着く所に落ち着くものです。
その時間の方を比べてみると、アメリカ自由貿易体制を守るためと称して10年前後もベトナム戦争をしていたのですが、その間には共産主義化が進む一方でした。
ところが、アメリカが撤退してみると、ベトナムも含めて、直ぐにまわりが自由貿易体制化してしまったのです。
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