10/17/05
元々軍人が単純な主張で政権を取っただけでは、複雑な利害対立の調整など出来ないのですから、時間の経過で内部矛盾の解決が難しくなり、収拾が付かなくなります。
戦前の軍国主義者も、社会矛盾の解決は、満州への進出程度しか考えられなかったのです。
14日のコラムで書きましたが、彼らは国内の政治改革や教育改革など地道な政治には向いていません。
そうなると、こうした指導者は対外的な戦争や他宗派(スンニ派対シーア派)の攻撃、少数民族(クルド族)の攻撃しか能がないのが共通項です。
このような、うまい手段がみつからない軍事政権は、直ぐに行き詰まり、また次の軍事クーターで倒れます。
次の若手将校がク・デターで政権をとって見ても、政治というものは単純ではなく、やりようがないのですから、また次の若手将校のクーデターで倒れるのです。
中年米やサイゴンなどで、軍事政権が倒されては、繰り返し出現した理由です。
たとえば、南米の国アルゼンチンは、牛肉を西洋までの輸出するには、輸送手段として船しかなかった時代には、途中で腐る心配があったのですが、その問題を解決したのが冷凍船の登場でした。
アルゼンチンは牛肉の輸出によって急速に経済発展し、第1次世界大戦で中立を維持したこともあり、1930年代には国民一人当たりの収入がフランスと並んで高い、世界で最も豊かな国の一つとなっていたのです。
ところが、折角の富も富裕層独占に対する国民の不満を背景に1943年に労働者の支持を得た軍部によるクーデターが起こります。
要するに商売そっちのけで、店の中で従業員と経営者が喧嘩していたようなものです。
クーデターの首謀者 Juan Doingo Peron が大統領に就任し、労働者の保護、外国資本の諸企業の国有化、イギリス資本の鉄道の買収などの政策を打ちたてて、ナショナリズムを高めていくのです。
これは国民受けするし格好良いのですが、まともな経済政策もなしに分配の公平や外国資本の接収など、大向こう受けすることばかりでは国が持ちません。
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