10/06/05

芭蕉場合 1(連歌心得高杉辞世の句)

ただ、日本では有り難いことに「連歌を巻く」と言う素人向けの仕事があったので,芭蕉その他の文人の生活力は、杜甫や李白よりもずっと上だったでしょう。
ちなみに、江戸時代になれば「五七五」の俳句だけと思っている方が多いかもしれませんが、芭蕉のころでも、地方廻りでは、その地方の文化人を集めて、「連歌を巻いて」その点者になるのが、主な収入源・・仕事だったのです。
今はジャズや西洋音楽が盛んですが、他方で高齢者の俳句人口が膨大なのと同じで、江戸時代に入っても、俳句だけでなく、連歌がなお盛んだったのです。
幕末に連歌どうなっていたかよく知りませんが、高杉新作の辞世の句に野村望東尼が付け句したと言われています。
高杉が臨終の床で
     「面白き事もなき世を、面白く」

と書いた所で筆を落とし、枕もとにいた野村望東尼が、
     「すみなすものは心なりけり」
と付け句したと言われています。
これは、連歌では有りませんが、連歌の心得が咄嗟に発露したものでしょう。
単品の俳句のきっぱりした良さもさることながら、連歌で繋いでいく日本人の習慣・美意識もいいものだと思っています。
それだけに庶民が豊かで、文化水準も高かったともいえます。



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