10/16/04
刑罰の目的1(応報刑と、教育刑)刑法14
刑罰を仮に2倍3倍に引き上げても、もともとそういうことに関心がなく、衝動的に行動する少年に対しては、なんら抑止力にならないのです。
それにもかかわらず、事件がおきると直ぐ刑罰を引き上げろとかの議論が沸騰するのは何故でしょう?
事実として本当に沸騰しているのか、あるいはマスコミが扇動しているのか良く分りませんが、不思議な現象です。
犯罪の抑止力の内実を考えると、実は当事者の犯罪性向や、犯行態様については文化力によるところが大きいことが分るでしょう。
ところで、少年だけが、刑の軽重を考えないのではありません。
大人の覚せい剤やその他の犯罪でも、刑が軽いからはまり込んでいるのでは有りません。
刑罰を2倍、3倍にしても、犯罪が減ることはないでしょう。
テロも同じで、刑罰が軽いから実行しているのではありません。
むしろ死刑が前提ですから、(彼らも自爆テロなど死を恐れません)ゼロ金利にしてしまって中央銀行の金利政策がこれ以上やることがなくなったのと同じです。
どうせ死刑になってしまうのですから、今後は、刑の減刑恩赦しかないとなれば、刑事政策としては、機能不全に陥っているのです。
犯罪と言うものは、もともと合理的に考えれば、採算が取れるものはないのです。
2年程前に社会を驚かせた音羽幼稚園の園児殺人事件でも、実行したお友達の母親が刑罰の軽重をあらかじめ考えてやったとは、到底考えられません。
こうして考えていくと、少年事件の発生のたびに「厳罰化しろ」というマスコミ論調が盛り上がりますが、「仕返し」をしたいという古来からの報復本能に基づくものでしかないのが分ります。
これを、刑法学では応報思想と言い、この思想に基づく刑罰を応報刑と言います。
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