10/02/03
地方自治と人材3(憲法38)
地方、特に小さな市町村では、人材不足が顕著で 新時代(と言っても電子政府構想について行けないだけで、政府の思うようにコンピューターを買ってくれないので、業を煮やしているだけですが)に対応出来なくなっています。
地方の人材不足問題は、誰の目にも明らかですから、これを大きな理由として現在市町村合併が押し勧められているほどですから、みなさんも人材の重要性について薄々気づいていることでしょう。
明治政府による中央集権を基礎から支える為に、優秀な人材を地方から中央に吸収し、帝国大学をトップにピラミッド型の教育システムを構築し、効率よく人材養成をした上で、これを、順次中央から地方への人材供給システムが出来上がりました。
優秀者から順に中央省庁役人や学者に吸収し、「地方公務員は、地方の高校卒業者でよかろう」という「学制」の思想・全国的ピラミッドシステムが完成したことが、地方人材枯渇の原因です。
そして、政府の基本的考えは、官僚は、帝国大学出身、陪臣である吏員は、地方名門高校、すなわち旧幕時代の藩校出身者の就職先として、住み分けさせることにあったのでしょう。
後のコラムで書きますが、時代が下るに従って大学はひとつではなく、帝国大学だけでもいくつも出来、さらに私立専門学校が大学に昇格するなどして大卒・学士が増えた上に、戦後はいわゆる駅弁大学と言われる程、各県に一つの国立大学が一挙に認められましたので、これに伴い、県庁にも大卒が就職し、さらには政令指定市、中小都市にも大卒が就職するようになって現在に至っています。
それでも、優秀な順に中央省庁・大企業、都道府県、政令市・・・という順序で就職して行くピラミッド構造は変わりませんでしたので、地方出身の才能のある人材は、大都会に流出する一方だったのです。
現在のシステムは、中央に人材を吸い上げるばかりで還流がありませんので、政府の旗振りについて行くことさえ出来なくなるほど地方が疲弊してしまった結果、何とかするためにも市町村合併を強引に進めようとしているのです。
政府が、本気で地方の底上げを図っていると言うよりも、生かさず殺さずと言う原理で、[たまには畑に肥料をやるか]と言うところでしょうか?
地方から、せっかくの人材が出ても、すぐ中央に引き抜かれてしまうことを繰り返しているうちに、今では、もう人材が出ることすらなくなりつつあるのを,ご存知でしょうか?
私どもが関係している司法試験合格者の分布を、千葉県に限って見て見ますと、30年位前までは、千葉県の郡部出身者が少しはいたのですが、最近は、殆ど千葉市周辺から東京までの間の都市住民の子弟(都市住民2世)に限られて来つつあります。
地方の時代と言っても、それを裏付ける人材供給システムがないと、地方は疲弊する一方ではないでしょうか?
中央に人材が集中する教育システムを作ったのは、中央集権国家を作るためには、合理的でしたが、戦後、地方自治制度が出来たのですから、それに見合う教育システムを考える必要があったのです。
この見直しをせずに、そのまま60年も来てしまったのが問題なのです。
教育制度の見直しは、教育基本法と言う、教育勅語に代わる単なる精神論的な見直し(道徳教育の可否とか)ではなく、骨太な改革、すなわち中央集権国家から、地方分権・民主国家への変更に見合うシステムの構築はどうあるべきかを、考えるべきではないでしょうか?
地方の強化は、予算だけが問題ではありません。
人材を供給せずに、土木事業や企業誘致しても何もならないのです。
この機会に地方自治法の一部を紹介しておきましょう。
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