10/28/02

日本経済の変化と法律のあり方(会社更生法・借地法など)  9

もの不足時代の法律ってどう言うものが有るんですか?という疑問に答える為に、たとえば、皆さんが良く知っている借地法や借家法を例に考えてみましょう。
建物保護法や借地の明け渡しでは、家が有る限りともかく保護しましようと言う理念で貫かれています。(建物が朽廃しない限り原則として、借地契約は終了しませんので崩れかかった家を直さないまま住んでいても、追い出される事は無いのです。)
借家法も折角作ったものを壊すのは勿体無いからと、造作買い取り請求権を保護しています。
私は、これらの法律が、借地人や借家人保護の精神で出来ている事まで否定するのでは有りませんが、折角作ったものを壊すのは勿体無いと言う経済観念が基礎にあった事が、世論の支持を受けていたのだと思います。
このような視点から考えますと、借地法や、建物保護法、借家法などの法律は、物あまり時代である、現在の事務所や店鋪賃貸の実情に全くあっていない事が分かるでしょう。
物あまり時代では、老朽化で競争に勝てなくなった工場設備や店鋪内装などを、撤退する企業・出店者に残されたのでは、大家のデパートなどは困ってしまいます。
まして買い取れなどと言われたら仰天するでしょう。
これからの街造りでは、寧ろ古くなったまま放置している崩れかかった家や、マンションを、強制的に撤去する事が必要な社会が目前に来ているのです。
話が変わりますが、近年、やっと、マンション法が改正されて、共有者の決議要件の緩和策が、検討されるようになりましたが、長期的に見ると、共有者の自治的決議に頼るのでは、あちこちにお化け屋敷みたいなマンションが手付かずに放置される時代が来るでしょう。
マンションが築15年〜20年になった時に、経済力の有る人は直ぐ近くに出来た新築のマンションを買い替えて出て行き、中古マンションしか買えない人がそのマンションを買って入居して来るのが普通です。
こうした循環の繰り返しで、築40年、50年のマンションの住民は、新しく建て替える経済的インセンチブを持つでしょうか?否です。
彼等は、古くても、安いから入居しているのですから、建て替え費用を分担する訳が有りません。
こういう時代には、文化財は別として、一定の年数が過ぎた建物は、強制的に取り壊せるという、おっかない法律が必要な時代が来ると思います。
この場合には、憲法問題も浮上しますが、最高裁判所は、多分、公共の福祉と言う理論と、一定の補償によって、合憲の解釈をするでしょう




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