09/21/07

契約の成立2(民法264)申し込みと撤回1

民法521条1項にあるように、申し込んだ以上、承諾期間内は撤回が出来ず、相手が承諾してくると契約が成立してしまいます。
その後は、これまで紹介してきた契約自体に無効原因や取り消し原因がない限り、契約の効力が生じますので、その契約を守らなければ、申し込んだ方が契約違反に問われます。
もちろん相手に契約違反があって、これを理由に履行を拒めれば話は別です。
(同時履行の抗弁権など・・・。)
これが法の大原則ですが、これまで何回も書いているように、クーリングオフはその例外をなすものです。
1カ月ほど前のことですが、ある大手企業の介護事業所に対する買収案件の相談を受けたときに、買収希望募集者の大手法律事務所から送ってきた文書には、「申し込み」書と書いてあったので、応募者はこれが法的に拘束力のある「申し込み」かどうかの相談に来たのです。
素人としては結構鋭い質問ですが、何故そんな疑問を持ったかというと相手方から来た文書には、大手法律事務所の説明で、募集側の文書は申し込みにはならないので、売却側は拘束されないという説明を、くどくどと書いてあったのです。
このことから、逆に自分が応募すると拘束される「申し込み」になるのかが、気になって相談に来たと言う訳です。
何しろ詳細は、未公表のまま見切り発射での申し込み要求で、申込み用紙を送ってきてから、申し込み期限はお盆休みもあって実質4日以内という超短期締め切り(相手は強気」)ですから、交渉に入ってから詳細資料を見て、採算性が悪いといって降りられるか、引継ぎまでの間数ヶ月間の資産劣化リスクをどうするかが問題になったのです。
これに加えて、買収資金(・・その後の回転資金も含みます)の銀行融資がどうなるか不明のままの見切り応募には、リスクが大きすぎます。
銀行担当者も時間がないので、前向きと言うだけしか言えませんし、今後の資料チェックによっては、融資が当てにならないのです。
いろいろ読み込んでみても、こちらの応募はそれだけで「契約の申し込み」に当たる可能性が大きいというのが、当事務所の判定でした。
「申し込み」であるとすれば、相手が、これを受諾すれば契約が成立です。
日程表では申し込み締切日から1週間以内に、応募者を一社に絞り、契約するとなっています。
(実は、相談しに来た会社は、第一次審査を通過していて、既に数社に絞られているらしいのです)
しかし、こちらには過去の決算資料程度しか開示されておらず、生の状況・・ここ半年くらいの事業状況など肝腎のことが分からないまま、相手から一方的に受諾の意思表示・・「貴社に決まりました」と言う通知が来ると契約成立になってしまうリスクがあるのです。



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