09/18/07

消費者保護4(消費者間の利害1)

今では個人・・消費者と事業者間の規律は重要だが、個人と個人の偶発的な取引・・法律関係の社会的重要性が低くなっているとは言っても、今でも個人の不法行為・・交通事故に始まって旧来の喧嘩・離婚の慰謝料、医療過誤、名誉毀損などがなくなったわけではありません。
公平な競争条件の整備・・証券取引法違反や独占禁止法違反・・談合取締りなどが重要になったことを、09/11/07「市場経済化=公正競争の整備2(窃盗と著作権法5)」前後で書きましたが、だからと言って、旧来の殺人や、泥棒や傷害行為を取り締まる必要がなくなったわけではないのと同じです。
今でも、いろんな個人的取引もかなりありますし、個人間のトラブルになると業務上のトラブルに比べて、この後でも書きますが、他人・・グループに転嫁できないで、まともに自分で結果を引き受ける関係ですから、結構大変なのです。
商人間の取引も、商行為法で特別に定めているのはホンの僅かであって、ほとんどは、民法の規定で裁判・解釈・行動するしかないのです。
社会的意義が少なくなっているとはいえ、民法は社会生活の公平性担保の基本法・・生活の指針ですから民法学者はこの分野でも、原状回復に関する現在的公平の基準を研究すべきでしょう。
事業者対消費者の関係では、クーリング・オフでも、結局は物品を返還された方が丸損ですが、それでも商人は甘受すべきだというのが、現在の価値観と言うべきでしょう。
ところで、クーリングオフ制度は(業者を泣かせて)消費者保護を図った制度だと言いますが、果たしてそうでしょうか?
クーリングオフが可能な割賦販売等は、大量販売している商業形態の商人ですから、こうした商人の場合には、一定の確率でクーリングオフが発生するので、個別の売主買主間としては不公平(事業者に不利)でも、これを販売定価に織り込んで上乗せして採算ラインを算定していけば良いので、結局のところ損はありません。
魚屋や果物屋が売り損ねて腐らせてしまうロス率を、販売定価に乗せるのと同じ考え方です。
あるいは、本屋でも洋服屋でも売れ残りのロス率を考えて、定価を決めているのです。
売主に何の落ち度がなくとも出来る・・クーリングオフによって、一定率で損失が発生するならば、企業努力で吸収するとしても、結局は販売単価に転嫁するしかないでしょう。
コスト削減で何とかするといっても、それがなければコスト削減の結果、値下げあるいはサービスアップできた筈だったのが据え置きになるのですから、結局は価格問題あるいは同じ単価でのサービスの程度に収斂して行くことになるのです。
本当に損をしているのは、迂闊な買い方をしない賢い?・・普通の人がその分、割高な物を買わされていることになるのですから、消費者保護とは言うものの、普通の賢い客が軽率な客の尻拭いをしている関係になります。



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