09/17/07
原状回復5(民法262)消費者保護3
社会的な意義のある場合に限らず、タマタマの個人的契約として友人へゲーム機や中古車などの売主になる場合を考えると、継続性がなく一回きりですから売り主はいつも損する可能性があるからと言って、確率的にどこかに転嫁できるものではありません。
ですから、各種取締りの特別法規によらない本来の民法取引では、やはり民法の規定どおり、本当にシビアーにどちらが損を負担すべきかの判断になるべきです。
現行の原状回復制度・・通説的解決では、車やゲーム機を使うだけ使って現状で返すのでは、不公平になってくるのです。
映画ビデオなど見てしまえば、おしまいですから、買主はケチをつければ、まるでただ取りになります。
原状回復のあり方に関して学者の研究が進まず、明治のままであるのは、個人対個人の取引は滅多にないし、研究すべきほどのことはない、・・・商人が買主の場合、錯誤などは滅多にないから結局は消費者保護の問題に帰する。
しかも、錯誤を主張するのは消費者の方ばかりであるから、(ビデオやパソコン・車・・金融商品その他、業者側の錯誤などは、想定できません)消費者保護の時代精神からして、売主が損をしても不公平でも何でも放置しておけばいいということかもしれません。
錯誤どころか、何の理由がなくとも消費者というだけで、特定取引に関してはクーリングオフだって出来る時代です。
学者と言うのは、世間知らずかと言うと、そうではなく、結構、時代精神に敏感・・悪く行けば時流におもねる傾向があります。
しかし、個人間の取引は社会的規模での影響が少ないから放っておけばいいだろうと言うのは、おかしいような気がします。
消費者被害でもそうですが、一人ひとりの被害が小さくとも全国的広がりがあれば、マスコミも騒いでくれるし警察も動くのですが、個人の被害としては大きくても、被害者が数人しかいない事件ではマスコミも騒がず、警察も動かないのです。
元々民法は、大量発生する事柄ではなく、個人間の法律行為・・人間の生き方・・ルールの基本を定めた制度であって、マスコミが騒ぐ大量取引・・商取引は別に商法(商行為法)で規制することになっているのです。
そして、現在社会では、個人と個人の取引の民法と商人間の商法との中間・・消費者と商人の取引と言う第三の分野が注目されているだけです。
貸金業法や後に紹介する割賦販売法や特定商取引法、食品衛生法その他各種消費者保護立法は、こうした視点で見ることができるでしょう。
不法行為でさえも、個人間の不法行為・・交通事故や傷害行為などだけではなく、企業による一般市民への不法行為・・公害が社会問題になってきました。
これ・・事業者対消費者という対立軸で調整していくのが、戦後経済の特徴というべきでしょう。
関連ページリンク
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
