09/16/07
不動産取引と公信力1(民法258)
被後見人や被保佐人(・・意思能力の劣ったものです)が、資産を取得する原因としては、今でも、相続以外には考えにくいでしょう。
そうだとすると、今でも機械設備・・主として法人所有です・・・などの所有者になることは、殆ど考え難いのです。
こう言う人が、新たに社長に選任されること自体がありえないからです。
相続などで取得した株主であることの存続じたいは、取引行為を要しません。
最近では、高齢社会化によって生まれつきの障害者だけではなく、バリバリやっていた人がイキナリ呆けることもあるでしょうが、そういう場合でもその人を被後見人や被保佐人とするのではなく、まず・・総理や社長退任という手続きを取るのが普通です。
09/10/07「選挙権5(憲法225)と責任と結果1」以下で連載しましたが、(安倍総理もついに辞意表明しましたが、・・)役職は能力で就くもので、本人に責任がないかどうか、可哀想だからという理由でついているものではありません。
社長を退任しても、個人資産・・結局は不動産の処理が問題になるので、その段階でこうした制度の世話になるのです。
準禁治産・被保佐人制度の借財をすることの禁止(要同意)も、結局は借財の結果、家屋敷や農地等の不動産を取られてしまうことの防止にあったのです。
民法は、一見いろんな立場に中立のように見えながらも、土地所有者に手厚い制度だったと言えます。
08/26/07「有因主義と即時取得(民法229)善意取得(手形・小切手法5)」以下のコラムで、即時取得と公信力のことを少し書きましたが、不動産には即時取得制度がなく、だいぶ前の契約に無効原因があると、その後に買った人も返さなければならないことを書いてきました。
私が勉強したころには、動産・・転々と動くものだから、取引の安全のために即時取得があって、際限ない追及が出来なくなっていると説明されてきました。
しかし、今になって考えてみると、動産(主として消費財)ですから、むしろ無限に転々譲渡される前に消費・・機械なら無価値になってしまうのが原則です。
むしろ土地の方は100年経っても、そのままなくならないのですから、無限の転々譲渡の可能性があるのですから、こちらの方にこそ、取引の安全・・第三取得者保護のために公信力が必要でしょう。
学者が金科玉条のように崇めているいるドイツでは、不動産登記には公信力があって、これを信じて買った第三者には無効の効力が及ばない仕組みだといわれています。
何故土地に「不動産」という変な名前をつけて、特別な制度にしたかといえば、当時の日本の社会状況を反映したものだったのでしょう。
転々譲渡の対象であるという点では、動産よりはチャンス・移転回数では不動産の方が多いのですから、不動産という名称は逆なのです。
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