09/15/07

原状回復4(民法255)消費者保護1

どちらかと言えば、思い違いした方には、重大な過失までなくとも普通の過失あるいは、軽い過失がある・・相手方よりも責任が重い関係です。
何の過失もない相手方あるいは転々譲渡受けた先の第三者が損をする現行の仕組み・・解釈が定着していたのは、・・元は能力の劣る者や軽率なものが財産を失わないように保護することが法意だったからでしょう。
現在及び過去の判例学説だけでは、土地以外(車や先端機械・・消費財)では、物を返されるほうが原則として大きな損害を蒙り、土地の場合には、原則として土地を返す方が大きな損害を蒙ることになります。
(不動産でも、マンションの場合は車ほどではないにしても、年数経過による劣化損失があります。)
今ではこのように、土地の場合は取り戻す方・・売主の方が得で、機械製品や消費財は売る主が損というようになっているので、売主または買い主どちらがが得か損かと言う分類が出来ませんが、対象物である土地か動産かで、どちらが保護されているかの分類が可能です。
民法制定当時から、ホンの数十年前までは、裁判するほどの資産移転と言えば不動産取引が主流でした。
今でもパソコン1台・・パン焼き機一台の不具合があるからといって、裁判にまで発展する・・あるいは弁護士に相談するまで行くことすら、万に一つあるかないかでしょう。
今でも裁判するほどの資産移転は、不動産関連が殆どです。
明治初めでの民法制定者の考えは、土地所有者ができるだけ所有権を失わないように、失っても簡単に取り戻しができるように考えて作った制度と言えるでしょう。
上記のように民法のいろんな制度が土地取引を念頭にしていたと考えると、取り消しや無効を簡単に認める制度・・・あるいは、その原状回復をお互いに無効になった時点で保持している限度で返せば良いと言う考え方は、当時の土地所有者・・結局は農民(弱者)・・が出来るだけ損をしないように保護している印象です。
民法施行は明治30年始めで、まだ貨幣経済が一般に浸透し始めたばかりのときですから、馴れない貨幣経済に巻き込まれて、先祖伝来の土地を失わないように・・仮に失っても取り返しやすいようにしたものでしょう。
たとえば、10年あまり前に、準禁治産や禁治産制度が、被保佐人や被後見制度に変りましたが、放送近禁止用語的発想で、名称が変ったのが中心で、その内容効力は殆ど変っていません。
正確に言えば、家の財産を守る意味合いの強い禁「治産」や準禁「治産」から、被後見「人」へと、保護の対象・・理念が変ったのです。
家の財産を主体に考えるのではなく、意思能力の弱いもの・・人を守る制度に大きく理念は変って・・・看板は付け換わったのですが・・同意が必要な法律行為の条文は旧来とほぼ同じです。



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