09/14/07
錯誤4(民法253)原状回復2
大手仲介業者といえども、その流された情報をそのまま転載するだけですから、細かな違いまで・・実際の日照の程度まで分からないのが普通です。
特にこの場合は、専門業者が何回も測ってようやく正確な数値が出た微妙な違いでしたから、ホンの僅かな角度の振れまでは、仲介業者は、仲介の都度測量しきれない・・売主の出した広告をそのまま転載しただけでも、仕方がない程度・・・そこまでの調査義務はない事例でした。
そうなると、錯誤で無効になっても、仲介料の支払い債務がなくなる・・仲介料を原状回復・不当利得として返してもらえるのが最大の成果にとどまる関係です。
仲介料は、セイゼイ5%プラスアルファでしかないのですから、これだけ返して貰ってもどうにもなりません。
錯誤無効になった場合、代金の返還義務を負うのは売主だけです。
こちらは、マンションを明け渡し所有権登記を売主に戻すのですが、売主にお金の用意ができないと、こちらは取り戻しようがない関係です。
訴訟前の段階では、売主の素性不明(登記上の住所・・何とかビル何階というだけでは、どの程度の資力のある会社かの手がかりがないのです)だったので、大手仲介業者も一緒に被告にしていれば、何かの情報が入るか?と言う楽しみもあったのですが、仲介業者もネット上の情報を転載しただけで、それ以上の情報もなさそうでした。
荷作りも終わって、運送屋に頼んでしまってもその日に、相手がおカネを持って来ないからといって、引越しをキャンセルするのは大変です。
相手方は、こちらの心配に気づかなかったかも知れませんが、こちらは裁判の勝敗見通しだけでなく、こうした情報に基づく落とし所も作戦の重要な要素です。
錯誤無効の判決を貰っても、相手に視力がないと売買金額全部を回収するのは困難ですが、何割りかの値引き分くらいなら何とかなるか?という次第です。
皆さんも物件を買うときは、仲介の大手仲介業者という看板ばかりに目をつけて、売主がどういう人かの関心が殆どない方が多いと思いますが、実は問題が起きると、仲介人はセイゼイ仲介料の限度でしか責任がないことが多いのですから、(仲介契約の債務不履行があれば別問題です。)気をつけたほうが良いでしょう。
他方で、真冬に住み始めて、一分1秒も日が当たらないので、大怒りで裁判が始まったのですが、初夏から秋にかけての和解でしたから、少し日が当たるようになり、当方の依頼者は、
「この程度、明るければ良いか!」
と言う気持ちになってきたのです。
「また、冬になると朝から暗い問題がおきますよ!」と説明しましたが、やはり今現在明るいとその気・・腹立ちが薄らぐようです。
(当事者にとっては、引越しのわずらわしさも相当なものです。)
それと、住めば都と言いますが、一年近く住んでいるとそのマンションに愛着が湧いて来たと言うわけです。
こんなことで、値引きで解決となった次第です。
ちなみに、日照権被害の基準は、冬至の日影を基準に争うことになっています。
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