09/13/07
錯誤3 (民法251)(動機・性状の錯誤2)
性状に錯誤があっただけですから、妊娠しているかどうかを相手に聞いて、あるいは、仲介人(博労?)に聞いてみて、妊娠しているようだなどと聞いていた場合、それなら買うという場合だけが、錯誤無効を主張できるのです。
でも、そこまではっきり言ってしまえば、条件になる場合もあるので、錯誤の問題ではなくなることもあります。
出産(妊娠)を条件に買えば、出産(妊娠していないことが分かれば)しなければ効力が出ませんし、出産しないことを解除条件で買えば、出産しなければ解除になります。
表示された動機とは、このようにはっきり条件としての表示まで行かないで、この辺に駅が出来そうかなど営業マンとの間で話題に出ていた程度を言うのでしょう。
いずれにせよ、この程度の憶測に類することを、なぜ無効・・・何十人先まで無効を主張できるとして、保護する必要があるのか疑問です。
ついでに言いますと、私が考えるのはこの後でも書きますが、当事者間で救済すべき程度と、無効として第三者の手に渡った物まで取り戻しを出来る・・・・無限大に追求出来ることとは、厳密に分けるべきと思うのです。
動機程度の錯誤にも無効を認めるとしても、無効の効力は、当事者間にとどめるべき・・第三者には対抗できないと言う但し書き付きの立法にすべきなのです。
こうした教科書的説明だけでは、動機の錯誤の意味が分かり難いでしょうから、私が4年ほど前に担当した事件を紹介しましょう。
山手線渋谷駅から歩けるところで「東向き・日当たり良好」という広告があったので、朝日だけは当たるのだと思って、(独身者で昼間はいないので、朝日だけ当たればで良いのです。)その広告を信用してそのマンションを買った人がいます。
ところが、住んでみると、正確には、若干北に触れていたことと、雁行型マンションであったために、隣の出っ張り部分の陰になることもあって、一日中全く(一分間も)日当たりがないことが分かり、こんなマンションなら買わなかったのに・・・と言う訴えです。
本人としては、大手企業のチラシ広告なので、安心して買ったのに許せないと言う強い思いもありました。
聞いてみると、そのとおりなら「錯誤の事件だな」と言うことで、錯誤無効を主張して裁判したのです。
テーマは錯誤ですが、裁判の準備としては、まず、本件マンションの地球上の位置を確定して、正確な日影図の作成が必要です。
(こう言うコストがかかるのですが、たまたま父親が、建設業関係だったので業者手配できました。)
地球位置測定の結果、本当に一分1秒も日が当たらないことが判明したので、錯誤を主張することになったのです。
その事件では、上記のように日影図を作成し、万全の体制で望んだので、日照がない点は被告も若干国交省のデータなどだして争いましたが大したことにはなりませんでした。
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