09/07/07

納税と選挙権1(憲法215)

ただし、一定の功労に対する会費免除決議は、一種の対価ですから別でしょう・・・高齢者の年金なども・労働者の退職金同様で、過去に働いた対価です。
ですから、高齢者の年金問題は福祉政策と言われますが、本来は労働対価の後払い的要素があるので、ここをしっかりしないと若い者がやる気をなくしてしまいます。
退職金制度を餌に働かせておいて、退職時に払えないとなれば、企業の信用がなくなるのと同じです。
この点、今回の年金記録漏れ事件は、長年の給与からの天引き積立金がなくなったと言うのですから、その保管をしていた国に対する怒りが沸騰するのは当然です。
これに対して、本当に能力がなくて、他人の労働の成果を回してもらう福祉制度の結果生じた受給権・権利は、自分で稼いだものは自分のものと言う権利とは違い、本来的に他人の善意で成り立つ二次的権利でしかないのです。
最近こうした原理が分からずに、「福祉を受けるのは権利だ権利だ」と大きな態度の人がいますが、これは強者による思いやりによって生まれた2次的権利に過ぎない本質を誤解しているのです。
障害児を抱えていて、第2子が生まれると障害者になる確率が、ものすごく高いといわれている母親が、この間の障害者教育が手厚かったしく、障害者には生まれてくる権利があると信じ込んでいて、障害者でも良いから2人目が欲しいと言う人もいます。
(妊娠してしまったからではなく、積極的に妊娠したいというのです。)
こう言う人は、障害者も生きていく権利があると言う周りの善意を、素直に受け止めて、天賦不可譲の権利と誤解している・・・他人の善意で成り立っている権利と言う理解が足りないのです。
権利の意味にも、2とおりあって、100円出せば100円分のものが買えると言う古来からの権利と、他人の稼ぎを貰って買い物が出来る・・恩恵で権利に高められている権利の2種類があるのですが、同じく権利と言う紛らわしい言葉が独り歩きしたために、全面的な一般の権利があると誤解する人が増えているのでしょう。
福祉サービスには、等級をつけて、物を買ったりサービスを受ける権利があるといっても自分で稼いだ人と同じ物を買えない・同じサービスを受けられない制度にすれば、その違いが具体的で分かりよくなるでしょう。
福祉によるサービスと自分のお金で買う人とでは、受けるサービスに差をつけるべきだと言う意見は、12/16/06「国民年金制度と生活保護(モラルハザード防止3)」のコラムで別の角度から書きました。
ここで、テーマになっている選挙権の問題に移りましょう。
テニスやゴルフ、ダンス同好会を維持すべき分担金・・会費を払えなければ、脱退するのが筋ですが、会から脱退しないでも大目に見ましょうと言うのが、会費免除制度の本質でしょう。
毎回テニス場の利用料金を割り勘で払っている場合や、その後の飲み会の会費を割り勘で払っている場合、みんなが今回良いよと言ってくれても大きな顔をできない筈です。
免除者の増加によって赤字になった同好会が、会費増額すべきかどうかの議論において免除を受けている人が大きな声で議論してよいか、議決権を行使してよいかは別問題だということは、誰でも分かる原理の筈です。



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