09/03/07

契約の効力1(民法245)公序良俗違反1

近代法思想では、意思が万能ですから、意思能力と行為能力をクリアーすれば、意思の合致だけで契約が成立することになります。
刑事事件の成立も、意思能力の有無と程度次第です。

刑法
(心神喪失及び心神耗弱)
第39条 心神喪失者の行為は、罰しない。
2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

契約が成立するまでは、その内容をどのように決めるかは当事者の勝手ですが、その成立した契約に法的効力・・・国家が判決によって強制的実現をしてやるか否か、成立後の有効性に関しては、神仏の代わりに国家の価値観で決定されます。
有効無効の判断・・決定権を持つということは、結局は、国家がその契約内容の実現に力を貸してくれる、あるいは、その契約に基づいて手に入れた事柄の保持を許容するかどうかにかかる基準です。
契約には、成立の有無と成立後の効力判定の2段階に分けられているのです。
成立した契約の効力を判定する基準としては、以下の条文があります。

民法
(公序良俗)
第90条 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。

いわゆる公序良俗違反ですが、学生時代にこう言う抽象的な規定では、政府の自由自在ではないか・・法律と言えるのかな?と疑問に思っていました。
条文だけ読んでも分からないような抽象的規定でも、長年法律家をやっていると、どういう場合に、公序良俗違反で無効になるか具体的基準が自然に分かってくるのですから不思議です。
この間、判例の事例集積が進んだせいでもあるでしょう。
たとえば、賭博契約による支払い債務は無効ですし、貸し金契約が成立しても超高利の場合無効です。
無効とは、この契約に基づいて支払いを求める裁判をしても負けてしまう・・国家は手を貸さないと言う意味です。
そればかりか、それらの無効な契約によって既に得たものの保持すら許容されなくなる・・・不当利得返還請求の対象になります。



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