09/29/06
証拠法則と事実認定の重要性10(自白は証拠の1部)
この本末転倒した運用を改めるために、自白には、補強証拠が必要と言う制度の定着・・・更には、補強証拠の有無に拘わらず、拷問等任意性のない自白は証拠としてはいけないと言うルールが生まれたのです。
こうして今では、09/22/06「江戸時代の吟味筋8と刑事訴訟法55(自白法則1)憲法192」以下で紹介したように、自白には、補強証拠が要ると言う原理になっているのです。
ただ、そうした歴史経過があるので、今でも裁判所の自白に対する重視姿勢は変らないままですから、拷問による自白その他瑕疵のある自白さえ、阻止すればいいと言うルールになっているのです。
しかし、私に言わせれば、自白に頼る裁判姿勢がそのままで、任意性さえ気をつければいいと言う外からメッキを塗るような姿勢では、本当の意味の任意性の確保は困難でしょう。
その結果今では、補強証拠・・すなわち、間接事実を探すために自白をさせて、その自白に基づいて間接事実・・補強証拠を獲得すると言う逆転した運用になっているのです。
検挙率と言っても我が国の場合には、警察は記録を取って帰るだけで、後日現行犯で捕まった被疑者がついでにいっぱい余罪を自白するのが普通です。
事件が来ると先ず本起訴が窃盗の未遂事件で、追起訴以降が既遂事件となり、その次その次と連続して起訴が続くと言う訳です。
こうして、検挙率何%と言うデータになってるのですが、実際に警察が捜査した検挙はほとんどと言って有りません。
検挙率については、11/17/04「警察の廃止3(検挙率の実態2)」前後で連載しました。
現在私は、合計600件前後窃盗していると自白している事件を2件担当していますが、(外国人グループ1件と日本人グループ1件です)ありますが、これは一つが現行犯で、一つは、仲間の一人がいやになって自首して始った事件です。
わたしの考えでは、自白は、認めるかどうかの認否に使えるだけであって、証拠に使うのは良くないと考えています。
事実は、客観証拠の積み上げによるべきでしょう。
そして、自白を捜査で使うとしても、逆に客観証拠の不足を補う補強証拠・・・意味付けとしてか使えないことにしたらどうでしょうか?
そして科学技術の発達した今では、かなりの部分は客観証拠で間接事実・行動形態が分かる時代がきているのです。
預金払い戻しやコンビニなどの買い物などはビデオ録画が、正確な時刻を含めて発達していますし、行動記録には刻々にかけた携帯電話の記録で発信場所や時刻が特定されるなどかなり客観化される時代です。
車の移動も、かなりの道路で自動録画されていますし、走行中の携帯通信も盛んですので、
数え上げればキリがないほど、現在では客観資料が多方面から入手できるのです。
共犯関係も、例えば、産廃の廃棄なども、トラック運転手の直前会話(実は、これが多いのです)記録から、どの電話と頻繁に交信していたか判明しますので、共犯者の方で知らなかったなどは通らない時代です。
しかもその発信場所の位置特定さえ出来るので、移動しながら交信を繰り返している場合、点々とした移動ルートが地図上で分かる仕組みです。
数年前に舟を盗んで横浜から船橋まで、移動した事件を担当しましたが、海上から陸上の仲間に携帯連絡していたのが、メッシュ様の四角いマスメの範囲で刻々と記録されていて、被告人の移動の供述と一致しているのが確かめられています。
こうして発信先の携帯所持者が共犯容疑として事情聴取され、検挙されることになるのです。
こう言う時代が来ているのですから、自白に頼らずに、客観資料で事実認定するのが容易な時代が来ている筈です。
これに加えて、学者実務家の事実認定方法に関する研究が進んで、公表されれば、事実認定にも自信が付いて、自白に頼る必要性が低下するのではないでしょうか?
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