09/27/06

証拠法則と事実認定の重要性6(H16年刑訴法改正)

結局同じ人殺しでも、執行猶予で全く身柄拘束を受けない事件もあれば、死刑から懲役10年20年〜無期までと無限の幅があるのです。
こう言う国では、事実類型ごとに刑の幅を研究して行く努力をしないで、細かく法定刑が定められている外国のまねをして深遠な哲理ばかり論じていても意味がないでしょう。
それとも、学者は、政権の恣意的運用を縛ることに対して遠慮して来たからでしょうか?
もしも、これからでも事実認定の方法を科学的に研究しようとしたばあい、判決だけでは何のことか分らないのですから、その事件を担当した弁護士の協力を得て、訴訟資料の入手を図るしかないでしょう。
しかし、昨年の刑事訴訟法改正?で、弁護士は、証拠関係資料をうっかり(みだりに)第3者に渡すと、法律違反・刑法犯罪(1年以下の懲役)になってしまったのです。
資料を貰った学者も共犯になるので、論文に引用出来ないでしょうから、中国・法輪功の生体臓器移植みたいに出所不明の情報として論文を書く時代が来るのでしょうか?
このような法律が出来ると研究に支障があるとして、反対運動することすら誰も気づかないうちに法案が通ってしまったのです。
如何に関係者が、データ研究に対する関心がなかったか、怠慢であったかと言うことでしょう。
公務員の内部告発があると、その役所の組織ぐるみの違法行為を糾す事よりも、内部告発した者に対する秘密漏洩罪の適用の方に目が向くのは、困ったものです。
昨年の刑訴法改正は、この窮屈な制度思想を改正するのではなく、在野の弁護士にも資料の流用を禁じ、及ぼしてしまった重要な法改正でした。
小泉改革は、非民主的に改悪する方面では、抵抗勢力が弱いので、着々と成果を上げているのです。
以下の条文を見れば分かるように、使用目的が当該事件追行以外には認められていないので、学問的研究のため・・・あるいは、当該事件の批判のためであっても、事件確定後に提供するのは多分、第281条の4違反になると言うことでしょう。
弁護士倫理違反と言う程度なら兎も角・・・・そういう場合は、使用目的が合理的であると言うことで何とかなるでしょうが、第281条の5 では、懲役1年以下と言うのですから、モロに刑法犯になるのです。

刑事訴訟法第281条の3 弁護人は、検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠に係る複製等(複製その他証拠の全部又は一部をそのまま記録した物及び書面をいう。以下同じ。)を適正に管理し、その保管をみだりに他人にゆだねてはならない。
《追加》平16法062
 
第281条の4 被告人若しくは弁護人(第440条に規定する弁護人を含む。)又はこれらであつた者は、検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠に係る複製等を、次に掲げる手続又はその準備に使用する目的以外の目的で、人に交付し、又は提示し、若しくは電気通信回線を通じて提供してはならない。
1.当該被告事件の審理その他の当該被告事件に係る裁判のための審理
2.当該被告事件に関する次に掲げる手続
イ 第1編第16章の規定による費用の補償の手続
ロ 第349条第1項の請求があつた場合の手続
ハ 第350条の請求があつた場合の手続
ニ 上訴権回復の請求の手続
ホ 再審の請求の手続
ヘ 非常上告の手続
ト 第500条第1項の申立ての手続
チ 第502条の申立ての手続
リ 刑事補償法の規定による補償の請求の手続
《追加》平16法062
2 前項の規定に違反した場合の措置については、被告人の防御権を踏まえ、複製等の内容、行為の目的及び態様、関係人の名誉、その私生活又は業務の平穏を害されているかどうか、当該複製等に係る証拠が公判期日において取り調べられたものであるかどうか、その取調べの方法その他の事情を考慮するものとする。
《追加》平16法062
 
第281条の5 被告人又は被告人であつた者が、検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠に係る複製等を、前条第1項各号に掲げる手続又はその準備に使用する目的以外の目的で、人に交付し、又は提示し、若しくは電気通信回線を通じて提供したときは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
《追加》平16法062
2 弁護人(第440条に規定する弁護人を含む。以下この項において同じ。)又は弁護人であつた者が、検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠に係る複製等を、対価として財産上の利益その他の利益を得る目的で、人に交付し、又は提示し、若しくは電気通信回線を通じて提供したときも、前項と同様とする。



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