09/23/06

刑事訴訟法61(公判)書証の取調べ2

法律上は口頭審理主義ですが、実際には、現在の運用では書面審理主義ですから、上記の朗読は殆ど省略されて、要旨の告知になっています。
この要旨の告知もさらに簡略化されて、この10年前後は、「被告人の経歴です」「犯行の態様を書いた書面です」とか「犯行場所の番地を書いています」など、立証目的と大差ないような告知形態で裁判のスピード化が図られているのです。
裁判の迅速化と言う掛け声の元で、本来なら1通の供述調書の朗読に10分かかるところが30秒くらいで終わると言う短縮が図られていて、あとで裁判官が自室に戻ってじっくり読む、事実上の書面審理になっているのが実態です。
これでは公判を傍聴した人も何のことかさっぱり分からないので、密室の裁判と実際は変らないでしょう。
はっきりしているのは、被告人が手錠をつけられて法廷を出入りする姿が見られるという晒し者する効果くらいでしょう。
公解の裁判の意義について既に、08/23/06「公開の裁判を受ける権利6(憲法188)「反射的利益?」前後で連載しましたが、日本では人権擁護のために発達したものではなく、見せしめにする目的から始ってることが、こうした場面でもあらわられるのです。
江戸時代の話にもどりますと、この朗読、確認の手続きを経た口書を、「吟味詰り之口書」と言い、これによって犯罪事実は確定され、後は、書面審査で、刑罰が決定されました。
判決の告知を「落着」と言い白州に奉行が出座して、「申し渡し」と題する書面を朗読して告げるのが原則でしたが、死罪の場合は、牢屋で下役人が申し渡したそうです。
捕り物帳関係のテレビ映画で、「これにて一件落着」という台詞がありますが、時代考証したのでしょう。
ただし、当時は、「落著」と書くことについては、08/06/06「著と着の分離4(当用漢字表2)」のコラムで説明しました。
今は、判決は必ず公判廷で言い渡すことになっています。
これも、何故被告人や弁護人に対し文書でくれないのか疑問です。
大きな事件などでは、文書をくれないと法廷で耳で聞いただけでは、正確に聞き取れなくて、詳細な検討が出来ないからです。
刑事訴訟法
第342条 判決は、公判廷において、宣告によりこれを告知する。



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