09/23/06
刑事訴訟法59(被告人は当事者か?3)
平成16年の改正?で、被告人どころか、弁護人まで退廷を禁じられる事があり(在廷命令)、ここまで露骨になって来ると「裁判を受ける権利」ではなく、「裁判を受ける義務」に転化していることが明らかと言えるでしょう。
昨年出来たばかりの、在廷命令の条文を紹介しましょう。
刑事訴訟法第278条の2 裁判所は、必要と認めるときは、検察官又は弁護人に対し、公判準備又は公判期日に出頭し、かつ、これらの手続が行われている間在席し又は在廷することを命ずることができる。
《追加》平16法062
2 裁判長は、急速を要する場合には、前項に規定する命令をし、又は合議体の構成員にこれをさせることができる。
《追加》平16法062
3 前2項の規定による命令を受けた検察官又は弁護人が正当な理由がなくこれに従わないときは、決定で、10万円以下の過料に処し、かつ、その命令に従わないために生じた費用の賠償を命ずることができる。
《追加》平16法062
4 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
《追加》平16法062
5 裁判所は、第3項の決定をしたときは、検察官については当該検察官を指揮監督する権限を有する者に、弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会又は日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求しなければならない。
《追加》平16法062
6 前項の規定による請求を受けた者は、そのとつた処置を裁判所に通知しなければならない。
審理に際しても、どう言うつもりか知りませんが、交通事故の死亡被害者や、殺人被害者の血だらけの死体の写真などを必ず公判で被告人に示すので、被告人が「思い出すのもいやだ」と言うように顔をそむけながら見せられることが多いものです。
(証拠調べの方式として、写真は見せなければならないことになっていることが形式的な理由ですが、ここではそう言う規定が置かれている、思想的背景を書いているのです。)
刑事訴訟法
第306条 検察官、被告人又は弁護人の請求により、証拠物の取調をするについては、裁判長は、請求をした者をしてこれを示させなければならない。但し、裁判長は、自らこれを示し、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記にこれを示させることができる。
2 裁判所が職権で証拠物の取調をするについては、裁判長は、自らこれを訴訟関係人に示し、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記にこれを示させなければならない。
これらは、いずれも刑の言い渡しや審理に立ち合わせて、被告人が既に事実を認めていようといまいと、いかに悪いことをしたのかについて、繰り返し示して反省させる儀式として考えれば、一貫するでしょう。
以上通観すると、今の裁判手続は、客観的事実の有無を認定する場ではなく、被告人に反省させ、その態度を確認する場になっているのです。
こんなことは、本来行刑段階での目的であって、裁判手続で、被告人に対し何のつもりでこんなことをしたのか?などと問い詰めて心理的に痛めつけて反省を迫るのでは、ここでも一種の刑の先取りをしているのです。
裁判はそのような、メンタルなものではなく、事実認定手続の機能に徹すれば、民事同様に被告人本人が事実を認めているときには、出頭する義務ではなく権利だけで良い筈です。
争いたいとき、あるいは情状を訴えたいときだけ被告人が出頭できる権利になるべきでしょう。
このように割り切って考えれば、逮捕・勾留等の判決前の身柄拘束も、文字通り、逃亡や罪証隠滅の虞のある(滅多にないのですが・・)事例だけになるでしょう。
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