09/21/06

無罪の推定と保釈制度2

自白している人は、それこそ自分で有罪申告しているのですから、無罪推定が覆った場合ですが、この場合だけ保釈を認めるのは、背理です。
自白していて有罪になるのが分かっているならば、むしろ江戸時代のように刑の先取りでさえ、理論上許される関係です。
(もちろん、真実本人が自白しているのかについて、弁護士によるチェックが必要ですが、弁護士が自白を前提に保釈請求している場合の話です。)
このような場合を前提に、今年の秋から始まるのが、即決判決手続です。
即決判決手続については、07/22/06「即決裁判手続3(刑事訴訟法44)裁判所の権限2」等の連載コラムで紹介しました。
被告人や弁護人が認めている以上は、裁判をしなくとも有罪であることについては、問題がないのですから、どう言う刑の先取りをするかの問題だけです。
今はいわゆる体刑(むち打ちなど)がなく、原則として身柄拘束=懲役〜禁錮一本ですから、判決の結果、予想よりも重くとも軽くともその期間が違うだけですから、問題がないでしょう。
」もちろん死刑の先取りはありえません。
遅かれ早かれどうせ有罪に決まっているのに(執行猶予の場合には損ですが・・・)自白すれば何故保釈が、許されるのか疑問です。
保釈しても良いですが、、法理論上の必要性が考えられないのです。
この意味でも、裁判所の運用は無罪の推定の原則に反する、ひっくりかえった運用です。
無罪の推定と言う理屈だけでなく、当事者の立場にしても、自白していて、どうせ判決で実刑が確実な事件では、「保釈で出ても、また直ぐに入らねばならないから、かえって辛いだけだよ!」と私などは説明することがあります。
争っている人の方が、まさに無罪の推定が必要な場合で、いきなり捕まったとき、どこにこういうことが書いてあったとか、頭だけで思い出せる人は滅多にいません。
どことは言えなくとも、自分で机を引っ掻き回せば、ある文書の一部が目にとまり、そこからヒントが出たりするものですから、自由な時間がどうしても必要なのです。
どこそこのどう言う証拠があるなどと言って、証拠を他人に頼んで持ってきてもらえるほど過去のことをきっちり覚えている人は、滅多にいないのですから、こう言う人ほど保釈制度が必要なのです。



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