09/20/06

現在での未決勾留の必要性(自白獲得2)

これまで書いて来たように、服役施設が完備して、刑の先取りの必要性は解消しているのに、安易に勾留決定をする裁判所の姿勢は、どう言う必要性に裏付けられているのでしょうか?
どちらかと言えば、逮捕とそれに引き続く勾留による自白の獲得を後押しするのが、目的のように見えます。
(裁判所が、自白偏重の姿勢を改める必要があることについては、11/05/04「保釈の実態3(勾留の必要性)刑事訴訟法11」その他で既に何回も書いています。)
刑の先取りは、江戸時代の服役設備の不備から生まれた習慣ですが、自白偏重の思想的淵源も、実は江戸時代の証拠法則に由来するのです。
江戸時代の証拠法則については、自白中心主義であったことを、08/19/06「吟味筋4(事実認定と量刑手続の分離1)刑事訴訟法50」前後で少し書いてきましたが、現在紹介中の吟味筋の手続の一環として、この後に紹介します。
この江戸時代の証拠法則から、現在の証拠法則(これも、そのときに比較のために紹介しますが、自白だけで有罪に出来ないのが骨子です)に変わったのに、裁判所の意識が、江戸時代の奉行所の意識・・DNAを引き継いでいることが、大きな原因ではないでしょうか?
裁判官や検察官に任官すると、奉行所時代からのDNAを、組織として引き継いでしまうものなのでしょう。
個人が先祖のDNAを引き継ぐように、一つの組織に入ると、自分が組織に入る前に存在した慣習や意識も先輩を通じて引き継いでしまうものなのです。
我々弁護士は、裁判官や検察官とは、同じ司法試験に合格した仲間ですから、同じ法律意識・・リーガルマインドを持っていることを前提に法曹3者というのですが、弁護士は(裁判官や検察官を退職した人は別として)任官したことがないので、奉行所時代以来のDNAを引き継いでいないのです。
自白に対する意識(ひいては勾留・保釈の要件に対する意識)は、書かれた法律のまま(すなわちアメリカの法思想のまま)理解していますので、裁判官や検察官とは解釈運用に対する姿勢が真正面から違ってくるのでしょう。



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