09/20/06
現在での未決勾留の必要性(自白獲得1)
現在では余るほど刑務所が出来ているのに、未決勾留をすることで刑の先取りをすると、一つの犯罪に対して2重に処罰されることになり、処罰のし過ぎになる問題が起きてきます。
ま、その分は、判決段階で、未決勾留日数を算入することで数字を合わせることが可能です。
しかし、任意算入してくれるのは公判請求後だけで、公判請求前の未決は参入できませんから、まるまる刑の2重取りになりますし、公判請求後の未決も、実際は全部算入してくれません。
平均30日くらい引かれますので、その分も2重処罰になりますが、裁判所も学者も刑の先取りをしているとは認めていないので、そんなことを論じる人はいません。
未決勾留日数の算入については、法定算入(上訴期間など)と、任意(裁量)算入があって、ここで書いているのは、任意算入の場合です。
当然、裁判所は公式には、証拠隠滅のおそれがあるから勾留決定していると言う立場であって、刑の先取りなど認めていません。
その理屈からすると、30日くらいは当然必要な期間であるとして参入しないと言うのです。
ま、裁判所には宣告刑の裁量の幅が広いので、その分事実上宣告刑を軽くすればいいのですから、実際上はそれほど大きな差がないでしょう。
実際、我々弁護士も、執行猶予と実刑の境目の事件では、未決でこれだけ長いこと入って来たのだから・・(これを斟酌して)・・・と強調して執行猶予を狙うことがあります。
逃亡のおそれも証拠隠滅の恐れもないのに、勾留を続けることの大きな問題点は、代用監獄制度の恒久化と相俟って、逮捕後の警察による証拠収集・・取調べを可能にし、自白強要の温床になり易いことが、刑の2重取りよりも、大きなマイナスでしょう。
(これまで何回も書いていますが、裁判所は、公式には罪障隠滅・逃亡の恐れがあると言う認定ですが、実際の運用を書いているのです。)
法律の精神では、逮捕した段階で本来証拠が揃っていなければならない筈なのに、捜査機関は証拠に基づいて逮捕するのではなく、21日間に自白させられるかどうかの賭けで着手し、逮捕後に泥を吐かせればいいと言う、見込み捜査〜・・・安易な逮捕の温床になり易いのです。
これまでの有名な冤罪事件は、殆どこうした見込み逮捕〜長期勾留から始まったものでした。
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