09/19/06
未決勾留の施設(牢屋)管理権とその機能1
代用監獄の説明から、最近の監獄法・・刑事施設法を巡る話にそれてしまいましたが、牢屋の話に戻しましょう。
ところで、時代劇など見ていると、牢屋と言うと、処罰される刑が決まってから入る所・・懲罰を受けるような印象を抱きがちですが、これまで書いているように、実は、刑が決まるまでの未決勾留の為に預かるところだったのです。
未決勾留と言うのは、現在の法律用語であって、犯罪者という嫌疑で、逮捕または勾留されている人が、裁判が決まるまでの間(未決)、逃亡してしまうと困るので、身柄拘束しておくことを言います。
(平成16年11月5日に勾留の要件の条文で紹介しました。)
12/12/03「会津の悲惨2(刑務所の歴史1)」以下の刑務所の歴史シリーズで、書いているとおり、昔は刑の決まった人でさえ、服役するシステムがなかったのですから、牢屋は昔の刑務所では有りません。
12/15/03「刑務所の歴史3(刑罰の種類1)」あたりまで書いた刑務所シリーズの途中で、かなり長い間横に話が行っていましたが、もう少しで刑務所の話に戻る予定です。
未決勾留のための施設は、服役目的のための刑務所とはその目的が違うのですが、身柄拘束する施設としては共通性があるので、現在では身柄拘束に慣れた刑務所に併設されています。
未決拘禁は、本来司法手続を進めるためのの準備施設ですが、勾留請求するのは、検察官の権限であるところから、警察の手を離れ、法務省の所管となったのでしょう。
裁判待ちの施設と言う意味あいからすれば、裁判所の待合室の大掛かりなものとすべきですから、本来は裁判所がその近くに設置し、管理すべきものでしょう。
その意味では、牢屋が江戸時代の奉行所管轄であった時代のほうが、まだ法理論的に、一貫していたでしょう。
奉行所の機能が、明治以降、警察(捜査)、裁判(これも検察と裁判官に分かれます)、行刑に分化して行く過程で、本来未決拘禁施設の管轄も変えていくべきだったのでしょう。
刑事訴訟法になってからは、検察官は勾留請求権があるだけであって、勾留決定をするのは裁判所ですし、その目的も9月16日の1のコラムで条文を紹介しているように、裁判手続に必要かどうかだけが基準です。
しかし、裁判所は物理的強制力を持っていませんので、その下請けとしてどこかを使うしかない、あるいは警察から権限を取り上げる妥協策として一足飛びに裁判所の管理に移さず、中間の検察官の管理・・法務省所管としたのかも知れません。
このように、勾留の決定権者が警察から検察〜裁判へと頭の部分だけどんどん変わっていってるのに対し、実際の勾留を担当するのは江戸時代のままに、警察がやっているところがおかしいのです。
裁判官検察官は、紳士ですから、表向き奇麗事を言い、実際の汚れ役を元は岡引きなどで構成されている警察に引き受けさせてきたとも言えるでしょう。
時々、拷問その他不当な取調べなどを批判する判決を書けば、自分達は良い子のままで、他方で、実際には逃亡の恐れも証拠隠滅の可能性もないのに、勾留請求があるとフリーパスで、勾留決定しているのです。
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