09/17/06

未決勾留の懲罰的機能の喪失

江戸時代の人足寄せ場に始り、明治以降近代的な行刑思想が発達し、未決勾留だけでなく服役すべき刑務所が独立して設けられるようになってから、既に100年以上も経っているのです。
刑事訴訟法が出来て、未決勾留施設は裁判の準備のための待合室でしかないという趣旨に変わり、今では行刑施設も完備しているのですから、最早未決段階でも刑の先取りをする必要性がなくなっているのです。
ですから、逃亡の恐れもないのに大事件だからと言う理由で、拘束する必要はなくなっているのです。
それにも拘わらず、警察、検察、裁判所揃って犯罪者に対して原則として勾留決定をしたがるのは、江戸時代以来の刑の先取りの必要性を感じる国民意識が変わらないから、こう言う運用になるのでしょう。
ただし、実務では、未決段階で痛めつけると言う目的は、戦後急速になくなり、代用監獄・警察の留置場も合理化されて来ています。
(酪農場の衛生管理が進んだのと、同じでしょうか?)
またこれを担保するために、法の精神では、未決段階での身柄の管理は警察から法務省に移されたのです。
(この連載で書いているように、裁判のための勾留であるならば、本来は裁判所が管理すべきですが、ま、妥協的法律というところでしょうか?)
法的な妥協で、裁判所でなく法務省が未決拘禁施設を管理することになったのに対し、さらに実際の運用上の妥協で、未だに代用監獄と言う名称で、警察が勾留決定後も事実上管理しているのが現状です。
最早、刑の先取りをすべき社会的必要性もなくなった現在では、未決勾留の決定は、純粋に裁判手続の必要性だけで判断すべきでしょう。
そうすれば、勾留される被疑者、被告人数も格段に減るでしょうし、勾留施設もすべて裁判所に併置する小さな施設だけで足りるでしょう。
勾留場所が、遠隔地にある経済的ロスについても、08/18/06「警察署の機能の変遷2(地域センター機能へ1)」のコラム前後で紹介しました。



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