09/16/06

少年犯罪の増減と重罰化の風潮(少年犯罪統計)2

刑罰の重罰化の流れについては、11/11/05「変質・常習犯罪の解決6(家族・・母親の責任か?)」その他で、心神喪失者等医療観察法については、これまで04/28/06「精神病者の対策(心神喪失者医療観察法)2」前後で連載し、紹介していますので、参照してください。
前回コラムで紹介した統計を見れば、マスコミの騒ぐ少年の凶悪犯罪は大幅に減ってきているのが明らかです。
例えば、昭和40年ころまでは、殺人事件は370件前後で推移していたのに対し、昭和49年からは100件以内になり、平成16年は62件にまで減少しています。
強盗は昭和40年頃まで、2000件前後で推移していたのに対し、昭和49年に1000件を割り、平成16年では1301件ですから若干持ち直したと言うところでしょうか。
こう言うのは、普通、激減ないし減少傾向と言うべきではないでしょうか。
それにも拘わらず、マスコミと役所が結託して凶悪犯罪が増えたと主張し、重罰化の大合唱ですが、逆説的ですが、犯罪者が減ったので、役人が失業を恐れて、重罰化を宣伝する必要性が生じたのではないでしょうか?
仮に犯罪が半分になっても、刑罰を倍に引き上げれば、刑務所の収容人員は、滞在者数で整合する勘定です。
犯罪が1割減れば、刑を1割重くすれば、滞在客は同じと言う計算です。
少子化で学生が減ってきたので、4年生の学部に2〜3年上乗せの法科大学院を強制するようになったのと同じ発想です。
もしも、こんな都合で刑を重くされているとすれば、税金を収めている国民は溜まりません。
ま、人生が間延びして犯罪者もなかなか死ななくなっているので、刑期を従来の10年を15年にしても、長くなった人生に占める割合としては、同じだという観点もあるでしょう。
計の重罰化は、犯罪が増えているかどうかではなく、懲役10年を15年にしたら、あるいは5年を7年にしたら、犯罪者が反省して再犯を犯さなくなるのかどうか、あるいは刑罰の重さに畏れをなして、犯罪を犯さなくなるのかどうかこそを議論すべきでしょう。
私は、これまでも書いていますが、犯罪者は、飲酒運転をするときや、喧嘩をするときに今まで罰金10万円だったが、今度は20万円になったからやめておこうというような計算でやっている人は、皆無に近いのです。
もちろん泥棒も、「今度は1年でなく1年半くらい刑が重くなったからやめる」と言う計算する人はいません。
では刑務所に入った期間が長ければ、反省するのでしょうか?
これも期間に関係ないのです。
入院手術も同じですが、2週間も入院すれば、後は惰性みたいなもので、その倍入院したのも3倍入院したのもつらさはそれほど変わらないものです。
刑務所も最初の体験は、一ヶ月でもつらいでしょうが、これが5年10年となってくれば、後は惰性であって、刑期が10年が12年に伸びれば、反省が強まるものでは有りません。
結局は、役人の失業対策のために、重罰化を合唱しているとしか言えないでしょう。



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