09/14/06

吟味筋7(牢屋・・・刑務所建築1)ブタ箱

江戸時代の刑事手続に戻ります。
08/27/06「吟味筋6(「1通糺」と奉行の出座2)」以来、刑事訴訟法の弁解録取〜勾留手続の説明から、話しが逸れていました。
江戸時代には、奉行一人で勾留決定から判決まで決めていたことになるのですが、今では、検察官が全部決めるのではなく、検察官が勾留を必要と判断しても、自分で勾留決定するのではなく、裁判所に勾留請求できるだけで、別の機関である裁判所が、拘留するかどうかを判断することになっています。
(刑事手続の歴史は、これまでも書いているように分化・分業の歴史ともいえるでしょう。)
勾留(身柄拘束)の手続については、これまで上記の08/27/06「吟味筋6(「1通糺」と奉行の出座2)」他何回も書いて来ました。
ただし、「奉行一人が」と言うのは建前でしかなく、奉行所にはいろんな役人が働いていたのですから、正確には「奉行所という一つの役所・・機関が」ということになります。
これまで、いろんな箇所で現在の裁判実務を人質司法と批判してきましたが、検察から請求があれば殆どフリーパスで令状を発行している現在の裁判実務では、役所が分かれていても同じことかもしれませんが、まあ、第3者の目に触れるだけでも牽制にはなる意味があります。
検察は、真に勾留の必要な事件しか勾留請求しないから、ほぼ100%勾留決定を得ていると言う立場でしょう。
ともかく、当時は、原告、被告、第3者の判定と言う構造ではなかったので、本来(現在的意義)の裁判とはいえませんから、裁判手続きではなく、処罰手続きだったと言うのが正しいのでしょう。
いずれにせよ、奉行所で、捜査から犯罪事実認定、量刑まで全部やってしまうのでは、正確な意味の裁判(中立の第3者による判定が本質です)とは言えません。
ここでは便宜上、現在の言葉で裁判と書いているだけですので、ご了解ください。
1通糺の結果、未決勾留になると「牢屋」に収監(これも今の言葉です。・・そのころは入牢と言ったのです)しました。
ところで、警察に捕まって身柄拘束されることを、世上「豚箱に入れられる」と言われますが、江戸時代には、牢屋と言って、牛+家カンムリをイメージしたものだったのです。
漢字の意味からすれば、牛馬の入れられる小屋の意味でした。
日本では、明治までは、食用の家畜と言う概念がなかったので、労役用の牛馬の外に食用の豚を飼っていたことはないでしょう。
明治になって、豚が身近になったことから、ハイカラな意味で?ブタ箱と言う言葉が生まれたのでしょうか?
それはともかく、人を拘束するための専用の建物がなく、牛を閉じ込める建物を流用するイメージだったのですから、汚いし、非衛生だったことがよく分かるというものです。



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