09/12/06
機能分化と公平な裁き2(自白の必要性1)
ひき逃げ犯でも、勾留の不必要性は同じことです。
後日逮捕する事態になった事例では、客観的証拠が揃ったからこそ、逮捕するのでしょうから、それ以上に自白を求める必要がないはずです。
その他、総ての事件で逮捕する以上は、既に証拠が揃っている筈ですから、その後に捜査機関が自白を求めるのに協力して、勾留を続ける裁判所の姿勢はおかしなものです。
ですから法律では、既にある証拠の隠滅と身柄確保が出来るかどうかだけが、勾留決定の基準になっているのです。
刑事訴訟法
第60条 裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
1.被告人が定まつた住居を有しないとき。
2.被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
3.被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
ところで、既に証拠があって逮捕するならば、証拠隠滅のおそれが有り得ないと思うでしょうが、重要証人に対して働きかけて、偽証させるおそれが皆無とはいえないから、法律自体は矛盾しているわけではないのです。
ところが、勾留決定や保釈不許可の運用は、証拠隠滅を表向き理由にしていますが、その実態は、自白していなければ、ほとんど却下される仕組みであることを、11/04/04「保釈2(刑事訴訟法10)」前後で紹介しました。
形式的理由としては、自白せずに否認している以上は、関係者に働きかけて罪障隠滅工作をするおそれが高いと言うものです。
しかし、関係者が、少しくらい頼まれたからと言って、これまでの警察に対する協力的態度を簡単に翻すような自体は滅多に考えられませんから、これは言いがかりみたいなものでしょう。
工作する方も、もしかしたら、自分の申込みをそのまま警察に相談・・通報されるリスクが高いのでうっかり変な申込みを出来ないのが普通です。
普通の示談申込みの場合でも、被害者は警察に、示談してよいかどうか相談するのが普通ですから、犯人がそのような証拠隠滅の相談など出来る筈がないのです。
最近、裁判の始ったホリエモンの事件でも、彼は、自分に不利な証言をしている嘗ての部下に対し、口裏をあわせてくれというお願いなどとても出来ないでしょう。
交通事故の場合は、関係者(被害者に頼むのか?)に働きかける自体は、100%近く考えられません。
このように、殆どの事件では客観的事実が総て揃っていて証拠隠滅のおそれが無いのが普通ですが、それでも、自白を欲しがる裁判所の心理は不可解です。
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